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レボドパ (メネシット・マドパー)神話の崩壊

臨床医、特に神経内科医の頭には「レボドパ配合剤 はゴールドスタンダード、王道である」という公式が刷り込まれているようです。

ちなみに、レボドパ配合剤とは以下の商品名の薬です。
レボドパ/ベンセラジド
イーシードパール、ネオドパゾール、マドパーなど
レボドパ/カルビドパ
ネオドパストン、メネシット、ドパコールなど

パーキンソニズムがあれば、パーキンソン病であろうが、その他の病気であろうが、「とりあえずレボドパ配合剤を処方しておけばいい」と考えているでしょう。

パーキンソン病の国際的な診断基準には「レボドパ配合剤の顕著な効果」とあります。つまりレボドパが顕著な効果がなければ、パーキンソン病ではないと言っても過言ではないのです。

パーキンソニズムをきたすが、パーキンソン病ではない病気、進行性核上性麻痺、レビー小体型認知症、皮質基底核変性症に対しては、レボドパはパーキンソン病のようにうまく働きません。むしろ悪いほうに作用することが多いですので、中止したほうがいい場合も多いです。

レボドパ配合剤をやめて、何を使うかというと、それはアマンタジン(シンメトレル)です。上記3つの疾患に関してはアマンタジンが著効する症例が多いことに気が付きました。レビー小体型認知症の場合は量を増やすと幻覚が悪化することもありますが、ドパミンアゴニストのひどさに比べたら大したことはないです。

私が診ている患者さんはレボドパ配合剤が効かない症例のほうが多いです。レボドパ配合剤はノルアドレナリンを減らすのか、血圧が下がったり、眠気が出たり、特に上記3つの疾患では副作用でひどく悪化してしまうケースが多いです。
「レボドパが効かない、副作用で飲めない」と処方している神経内科医に勇気を出して進言すると、激怒されてしまうことがよくあります。
「レボドパは決してゴールドスタンダード(王道)などではない」のです。
レボドパに固執されすぎて、病状が悪化して不幸な転帰をとっているケースはかなり多いのではないでしょうか?


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# by shinyokohama-fc | 2019-05-14 18:46 | 治療

室生寺 (真言宗・奈良県宇陀市)

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# by shinyokohama-fc | 2019-05-10 08:49

長谷寺 (真言宗・奈良県桜井市)

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# by shinyokohama-fc | 2019-05-09 14:06

レビー小体型認知症の横綱症例

今回は、レビー小体型認知症(DLB)の横綱!カンぺオン症例をお示します。DLBという病気は非常にレンジが広く、重症度がピンからキリまで極端に違うので捉えどころがない病気です。

私が日常的に診ているのは横綱・大関・関脇・小結くらいのランクのDLB症例ですが、世間や学会で語られてるのは、幕下くらいのランクのDLBのようですので、まるで別の病気の病気の事のように思えます。

特に病状が悪いのが、パーキンソン病(PD)にDLBが併発してきて2~3年で歩行不可能になるタイプで、レボドパ高用量、ドパミンアゴニストなどの処方がされてしまい、取り返しがつかないほど悪化する、PD+DLBというタイプが最も重症です。

今回はPDに併発しない、純粋なDLBで横綱級の症例というのはどんなものかというのを紹介したいと思います。こういう症例を知ることによって、DLBという病気の本質が理解できるはずです。つまり、薬剤過敏性・自律神経不全が重症であるという事です。

現在72歳の男性。昨年8月から不定期で7回受診されています。
遠方からの不定期受診なので、こちらから処方はしていません。通常は訪問診療医が処方しているようです。

4年前に幻覚、誤認妄想で発症したそうです。地元の精神科でMIBG心筋シンチなど検査を経て、DLBと診断されたようです。

パーキンソニズムと覚醒レベル(認知機能)の日内変動も顕著で、重度の便秘症と起立性低血圧があります。
初診時)臥位118/69(54)→立位76/50(64)76/50(64)
再診時)臥位124/86(68)→立位67/50(135) 66/54(82)
今も立ち上がると目つきがおかしくなり、開眼できなくなるようです。

レボドパ有効時間は、動作緩慢ではあるが、歩行はある程度自分でできるようです。しかし視覚失認が重症のため、正しい方向に行けず、常時誘導が必要。イスがある位置が認識できず、自力でイスに座る事は不可能です。

筋強剛は体軸優位性で、頸部~体幹に強く、四肢は軽度のようです。開眼失行もあり、横綱DLBは臨床的にPSPに近いです。

ドネぺジルを2年、リバスチグミンを1年処方されていましたが、これらのコリンエステラーゼ阻害薬によって、首下がり、腰曲がりなどの姿勢異常がみるみる悪化していく(薬剤誘因性体幹ジストニア)ので奥様が危険を感じて中止。中止後は姿勢は元に戻ったようです。アセチルコリンを補充するCDPコリン(シチコリン・サプリメント)を試すとひどい精神錯乱状態となったようです。

レボドパ配合剤(ドパミン)は著効するが、2~3時間で効果が切れると流涎と無動になるそうです。しかしレボドパの1回が50mgを超えると血圧が下がりすぎて、ふらつきが強くなるそうなので、一時は1回は25mgしか服用できませんでした。

起立性低血圧にはドロキシドパは欠かせませんが、1回100mgを服用すると興奮して暴れるそうで、1回25mgしか服用できないそうです。

シロスタゾール(先発品)は強い頭痛が出現して、意識を何度も失ったそうです。やはりこの薬は血圧変動が大きくなって合わないようです。

試行錯誤の末に現在の服薬は
レボドパ/カルビドパ 25mg×3回
ドロキシドパ 25mg×3回
ラメルテオン 8mg(睡眠覚醒リズム維持目的)
半夏厚朴湯 2.5g(流涎軽減目的)
麻子仁丸 2.5g(便秘軽減目的)
その他にも様々なサプリメントを服用しているようです。

この症例を通じて学んだことは、横綱DLBというのは、世間で言われている(教科書などに書いてある)DLBに関する医学的常識はまったく通用しないという事です。薬剤過敏性は抗精神病薬に限られた話ではなく、全ての薬剤に過敏性、つまり不耐性だという事です。

この症例には統計処理された既報の臨床試験の常識などはまったく通用しません。通用するのは、幕下か前頭の下位くらいでしょう。
幕下・前頭の症例はDLB全体の70~80%をしめるかもしれませんが、同じ基準で、小結以上のDLBに処方すると大変な事になります。

同じ病名だからと言って、全部同じマニュアルの薬を使うというのが、いかにナンセンスであるというのが理解できると思います。
台風でも900hpの非常に強い台風もあれば、980hpの弱い台風もある。
病気も自然現象の一種ですので、多様性(個別差)があるのは当たり前でそれが自然科学の本質ではないでしょうか?


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# by shinyokohama-fc | 2019-04-04 10:51 | 治療

レビー小体型認知症 (E)自律神経不全

レビー小体型認知症(DLB)の自律神経障害のバロメーターは実は誰でも簡単に知ることができます。
臥位(横になっている時の血圧)と立位(立ち上がった時の血圧)を比較することです。血圧計さえあれば、誰でもできます。
20~30mmHg以上の起立性低血圧が確認できれば、MIBG心筋シンチグラフィーという検査可能な施設が限定の高額な検査は必要ありません。

レビー小体型認知症というと、幻覚(特に幻視)やパーキンソニズムが主症状ですので、精神科か神経内科の外来に通院します。
神経内科では多くの場合、パーキンソン病と診断されて、運動症状の治療薬が過剰に入れられてしまい、かえって不調になります。
しかし、これらの外来医が診察において、上記のような血圧変動について確認したり、測定したりすることはなく、関心すらないのではと思われます。

私の臨床経験では最も臨床的にレビー小体型認知症らしさが強い症例こそ、起立性・食事性の血圧低下が著しいのです。そういう症例は認知・覚醒レベルの変動も著しい。つまり脳幹網様体の障害も強いのです。

自律神経不全の重症度は
1)機会的、便秘・頻尿
2)連日性、便秘・頻尿
3)立ちくらみ・失神、血圧変動20~30
4)血圧変動40~50脈拍変動30以上
5)血圧変動60~70心停止リスク

特に要注意なのが、グレード3以上ですね。
なぜかというと、特に塩分と水分が同時に失われる夏場は立てなくなったり、意識を失ったりして救急搬送されるリスクが高くなるからです。

パーキンソン病の運動症状の治療薬はレボドパ配合剤を含めてこの起立性低血圧を悪化させる副作用がありますが、特にレボドパとセレギリンを併用している場合は薬剤起因性の血圧低下が起こるリスクが高いです。
一部で強く推奨されている、シロスタゾール(先発品)も特に高齢者のDLBの場合は血圧変動を大きくするため失神発作を誘発するようです。

自律神経不全の強いグレード3以上のDLB症例において、まず推奨されるのは先般ブログでも書いたようにドロキシドパ(ドプス🄬)です。
DLBの薬剤過敏性を考えると100mgだけではとても使いにくく、25mgや50mgという規格もほしい所。本来DLBには最も必要な薬だと考えます。

自律神経不全の強いグレード3以上のDLB症例においては、コリンエステラーゼ阻害薬は禁忌だと考えています。
もともとDLBという病気の一番の問題は自律神経不全であるにもかかわらず、DLBを診ている多くの臨床医はそのことを軽視(無視?)しています。
コリンエステラーゼ阻害薬である、ドネぺジルやリバスチグミンを自律神経不全の強いDLBに無神経にも使っているわけです。

血圧・脈拍の体位変動の評価は、DLBにおいて臨床上もっとも重要です。なぜなら、生命維持に直結するからに他ならないからです。
これを評価していなければ、本当の意味でDLBを診察していることにはならないと言っても過言ではないでしょう。
そのことを教えてくれるのが、DLBのカンペオン症例です。次回はこの症例を紹介したいと思います。



# by shinyokohama-fc | 2019-03-30 11:05 | 治療
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