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長谷寺 (真言宗・奈良県桜井市)

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# by shinyokohama-fc | 2019-05-09 14:06

統合失調症と同レベルのDLB

幻覚など精神症状が非常に強いタイプのDLBが存在します。
精神症状>>認知機能低下がメインで覚醒レベル変動・血圧変動・パーキンソニズムは一切ないです。
臨床的には「老年性統合失調症」と呼んでもいいのではないかと思います。パーキンソニズムタイプとは対極にあるスキゾフレニアタイプです。

つまり、脳幹型レビー小体はわずかしかたまっておらず、大脳辺縁系にレビー小体がすごくたまっているタイプだと推察されます。

主症状は、陽性症状(幻視・幻聴・妄想・思考伝播・作為体験・滅裂思考・病識欠如)と陰性症状(感情鈍麻・意欲低下・思考途絶・認知機能低下)です。
まるで「統合失調症」です。

最も特徴的な幻覚だけで5段階作るとすれば
1)薬によって幻覚が容易に誘発されやすい
2)原因薬なしで幻覚がときどき現れる
3)幻覚が毎日現れる
4)軽度妄想~行動化(家庭内トラブル)
5)重度妄想~行動化(社会トラブル)

4)5)レベルは家庭や社会的影響・被害が大きいので、統合失調症と同じく、早急に薬物を介入しなければならないのだと思われます。抗精神病薬の介入が不可欠なので、原則的には精神科専門医が対応すべきだと思いますが、神経内科医と同様にこの病気を理解している精神科医は非常に少ないのが現実です。
これまでにブログで紹介してきた、脳幹型レビー小体がたまる、抗精神病薬にもコリンエステラーゼ阻害薬にも全く忍容性のない王道DLBとはまるで違うわけです。

幻覚というのは、おそらく以下のタイプに分かれます。
1) 中脳起源
パーキンソン病(PD)の治療薬過剰、PSP の一部
→幻覚をおこす薬を可能なかぎり中止する
2) 後頭葉起源 (幻視・変形視などが主体だが多くは軽症)
通常型DLB患者の主症状
→コリンエステラーゼ阻害薬(症例によって適量には個人差が大きい)
3) 辺縁系起源 (幻聴や顕著な妄想・行動化を伴い重症)
統合失調症、スキゾタイプDLB患者の主症状
→抗精神病薬
4) 脳幹網様体起源 (意識がもうろうとしている)
レム睡眠行動異常や薬剤・夜間せん妄の一部
→せん妄誘発する薬を中止する、ラメルテオン+クロナゼパム少量

2)と4)は通常型DLBには普通にみられる症状です。私が普段診察で遭遇する多くは1)か4)ですので、このようなタイプにコリンエステラーゼ阻害薬や抗精神病薬は必要ではなく、まず処方しようとは考えません。
もし薬剤誘発性の幻覚に間違ってこの2つを処方してしまうと、薬剤カスケードに迷宮入りしてグチャグチャになるだけなので、むしろ禁忌です。

3)を普段診察する事はほとんどありません。こういう症例のほとんどは「精神科」を受診しますが、たまに当院にも来られます。以前は「精神科」で診てもらうようにお伝えしていました。
しかし近年は75歳以上の高齢者で3)のタイプが増えているようです。こういうタイプや対人関係的にトラブルになり、家族や施設が困るわけです。
1)2)4)のやり方は通用しないので、おそらく抗精神病薬を使う以外に方法はないのでしょう。

私の診療の歴史は抗精神病薬(ドパミンを抑える薬)の薬害との戦いの歴史でした。若手の頃は悪性症候群を何人も診ました。まして薬剤過敏性のDLBですので、一歩間違えば谷底に落ちるリスクは高いです。

当時(20~25年前)の悪性症候群の原因薬剤は、ハロぺリドール(セレネース)かクロルプロマジン(コントミン)でした。私にはこれらの薬に対する警戒感みたいなものが刷り込まれています。
幸いなことにこの20年で、新規の抗精神病薬が続々と開発されて販売されています。それゆえ選択肢が増えたと思います。「統合失調症」と言っても「老年性」なので少量でないと谷底に落ちるのは言うまでもないですが。

「スキゾタイプDLB」とか「老年性統合失調症」という表現には精神科専門医や認知症専門医からは異論がかなりあると思いますが、それを承知で書きました。実地臨床はガイドラインのような綺麗事では済まないからです。


新横浜フォレストクリニック
内科・漢方内科・老年内科・神経内科

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新横浜駅 篠原口より徒歩1分







# by shinyokohama-fc | 2019-04-16 18:46 | 治療

レビー小体型認知症の横綱症例

今回は、レビー小体型認知症(DLB)の横綱!カンぺオン症例をお示します。DLBという病気は非常にレンジが広く、重症度がピンからキリまで極端に違うので捉えどころがない病気です。

私が日常的に診ているのは横綱・大関・関脇・小結くらいのランクのDLB症例ですが、世間や学会で語られてるのは、幕下くらいのランクのDLBのようですので、まるで別の病気の病気の事のように思えます。

特に病状が悪いのが、パーキンソン病(PD)にDLBが併発してきて2~3年で歩行不可能になるタイプで、レボドパ高用量、ドパミンアゴニストなどの処方がされてしまい、取り返しがつかないほど悪化する、PD+DLBというタイプが最も重症です。

今回はPDに併発しない、純粋なDLBで横綱級の症例というのはどんなものかというのを紹介したいと思います。こういう症例を知ることによって、DLBという病気の本質が理解できるはずです。つまり、薬剤過敏性・自律神経不全が重症であるという事です。

現在72歳の男性。昨年8月から不定期で7回受診されています。
遠方からの不定期受診なので、こちらから処方はしていません。通常は訪問診療医が処方しているようです。

4年前に幻覚、誤認妄想で発症したそうです。地元の精神科でMIBG心筋シンチなど検査を経て、DLBと診断されたようです。

パーキンソニズムと覚醒レベル(認知機能)の日内変動も顕著で、重度の便秘症と起立性低血圧があります。
初診時)臥位118/69(54)→立位76/50(64)76/50(64)
再診時)臥位124/86(68)→立位67/50(135) 66/54(82)
今も立ち上がると目つきがおかしくなり、開眼できなくなるようです。

レボドパ有効時間は、動作緩慢ではあるが、歩行はある程度自分でできるようです。しかし視覚失認が重症のため、正しい方向に行けず、常時誘導が必要。イスがある位置が認識できず、自力でイスに座る事は不可能です。

筋強剛は体軸優位性で、頸部~体幹に強く、四肢は軽度のようです。開眼失行もあり、横綱DLBは臨床的にPSPに近いです。

ドネぺジルを2年、リバスチグミンを1年処方されていましたが、これらのコリンエステラーゼ阻害薬によって、首下がり、腰曲がりなどの姿勢異常がみるみる悪化していく(薬剤誘因性体幹ジストニア)ので奥様が危険を感じて中止。中止後は姿勢は元に戻ったようです。アセチルコリンを補充するCDPコリン(シチコリン・サプリメント)を試すとひどい精神錯乱状態となったようです。

レボドパ配合剤(ドパミン)は著効するが、2~3時間で効果が切れると流涎と無動になるそうです。しかしレボドパの1回が50mgを超えると血圧が下がりすぎて、ふらつきが強くなるそうなので、一時は1回は25mgしか服用できませんでした。

起立性低血圧にはドロキシドパは欠かせませんが、1回100mgを服用すると興奮して暴れるそうで、1回25mgしか服用できないそうです。

シロスタゾール(先発品)は強い頭痛が出現して、意識を何度も失ったそうです。やはりこの薬は血圧変動が大きくなって合わないようです。

試行錯誤の末に現在の服薬は
レボドパ/カルビドパ 25mg×3回
ドロキシドパ 25mg×3回
ラメルテオン 8mg(睡眠覚醒リズム維持目的)
半夏厚朴湯 2.5g(流涎軽減目的)
麻子仁丸 2.5g(便秘軽減目的)
その他にも様々なサプリメントを服用しているようです。

この症例を通じて学んだことは、横綱DLBというのは、世間で言われている(教科書などに書いてある)DLBに関する医学的常識はまったく通用しないという事です。薬剤過敏性は抗精神病薬に限られた話ではなく、全ての薬剤に過敏性、つまり不耐性だという事です。

この症例には統計処理された既報の臨床試験の常識などはまったく通用しません。通用するのは、幕下か前頭の下位くらいでしょう。
幕下・前頭の症例はDLB全体の70~80%をしめるかもしれませんが、同じ基準で、小結以上のDLBに処方すると大変な事になります。

同じ病名だからと言って、全部同じマニュアルの薬を使うというのが、いかにナンセンスであるというのが理解できると思います。
台風でも900hpの非常に強い台風もあれば、980hpの弱い台風もある。
病気も自然現象の一種ですので、多様性(個別差)があるのは当たり前でそれが自然科学の本質ではないでしょうか?


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# by shinyokohama-fc | 2019-04-04 10:51 | 治療

レビー小体型認知症 (E)自律神経不全

レビー小体型認知症(DLB)の自律神経障害のバロメーターは実は誰でも簡単に知ることができます。
臥位(横になっている時の血圧)と立位(立ち上がった時の血圧)を比較することです。血圧計さえあれば、誰でもできます。
20~30mmHg以上の起立性低血圧が確認できれば、MIBG心筋シンチグラフィーという検査可能な施設が限定の高額な検査は必要ありません。

レビー小体型認知症というと、幻覚(特に幻視)やパーキンソニズムが主症状ですので、精神科か神経内科の外来に通院します。
神経内科では多くの場合、パーキンソン病と診断されて、運動症状の治療薬が過剰に入れられてしまい、かえって不調になります。
しかし、これらの外来医が診察において、上記のような血圧変動について確認したり、測定したりすることはなく、関心すらないのではと思われます。

私の臨床経験では最も臨床的にレビー小体型認知症らしさが強い症例こそ、起立性・食事性の血圧低下が著しいのです。そういう症例は認知・覚醒レベルの変動も著しい。つまり脳幹網様体の障害も強いのです。

自律神経不全の重症度は
1)機会的、便秘・頻尿
2)連日性、便秘・頻尿
3)立ちくらみ・失神、血圧変動20~30
4)血圧変動40~50脈拍変動30以上
5)血圧変動60~70心停止リスク

特に要注意なのが、グレード3以上ですね。
なぜかというと、特に塩分と水分が同時に失われる夏場は立てなくなったり、意識を失ったりして救急搬送されるリスクが高くなるからです。

パーキンソン病の運動症状の治療薬はレボドパ配合剤を含めてこの起立性低血圧を悪化させる副作用がありますが、特にレボドパとセレギリンを併用している場合は薬剤起因性の血圧低下が起こるリスクが高いです。
一部で強く推奨されている、シロスタゾール(先発品)も特に高齢者のDLBの場合は血圧変動を大きくするため失神発作を誘発するようです。

自律神経不全の強いグレード3以上のDLB症例において、まず推奨されるのは先般ブログでも書いたようにドロキシドパ(ドプス🄬)です。
DLBの薬剤過敏性を考えると100mgだけではとても使いにくく、25mgや50mgという規格もほしい所。本来DLBには最も必要な薬だと考えます。

自律神経不全の強いグレード3以上のDLB症例においては、コリンエステラーゼ阻害薬は禁忌だと考えています。
もともとDLBという病気の一番の問題は自律神経不全であるにもかかわらず、DLBを診ている多くの臨床医はそのことを軽視(無視?)しています。
コリンエステラーゼ阻害薬である、ドネぺジルやリバスチグミンを自律神経不全の強いDLBに無神経にも使っているわけです。

血圧・脈拍の体位変動の評価は、DLBにおいて臨床上もっとも重要です。なぜなら、生命維持に直結するからに他ならないからです。
これを評価していなければ、本当の意味でDLBを診察していることにはならないと言っても過言ではないでしょう。
そのことを教えてくれるのが、DLBのカンペオン症例です。次回はこの症例を紹介したいと思います。



# by shinyokohama-fc | 2019-03-30 11:05 | 治療

パーキンソン病はまず運動

昨年2月に出版した書籍を読んで、受診される方がおられます。
もう1年以上経っているので、書店から撤去されたのか?と思いましたが、
書店によっては置いてあるようです。パーキンソン病というテーマで神経内科の専門医が執筆した書籍が非常に少ないからでしょうか?

受診される方の内訳は以下のどれかに分かれます。
1) 診断は合っているが、不適切な多剤処方によって、有害事象(幻覚、嗜眠、せん妄など)で苦しんでいる。
2) 不適切な多剤処方によって、効果減弱でオフ現象で苦しんでいる。
3) パーキンソン病ではないのに、不適切な多剤処方によって、有害事象に苦しんだ挙句、病気が悪化してしまった

拙著でパーキンソン病の多剤大量処方を問題だとしている理由はまさにこの
1)~3)があるからです。結局多剤大量処方というのは患者にとって何もメリットを生み出さない事がはっきりしているわけです。

最初から多剤処方や大量処方をしなければ、このような問題は起きにくいはずです。
背景としては
1)パーキンソン病の薬処方は無制限であること
2)10~20%に薬物依存性の強い体質の患者さんが存在すること
3)薬を使えば、病気が治るはずだと勘違いしていること
などです。
私が最初から診ている患者さんで、薬をほとんど増やさずに上手くいっているケースのほとんどは、自ら率先して運動している人です。つまり、まずは自ら身体を動かすことが何よりも大事なのです。

不適切な多剤大量処方を服薬している期間が長いと、修正は困難です。

通常のステレオタイプのパーキンソン病であれば、多剤大量処方というのは本来必要ないはずです。
通常の処方で効果がなければ、本当にパーキンソン病なのか?と疑う必要があります。これでもかこれでもかと薬を投入するのは病気を悪化させるだけです。
それについては、次回くわしく書こうと思います。



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# by shinyokohama-fc | 2019-03-15 12:34 | 治療
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