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古寺巡礼(4) 永観堂・禅林寺(浄土宗・京都市)

4月15日に内科学会で京都市へ出張しました。
学会会場から徒歩10分くらいで行ける距離に有名な寺がいくつかありましたが、今回は南禅寺と永観堂を拝観することにしました。

永観堂・禅林寺は「モミジ寺」として大変有名な寺で、毎年紅葉の季節には観光客で混雑するようです。

名前からして、南禅寺のような禅宗の寺かと想像していましたが、もともとこの寺は真言密教の寺として始まり、後に永観律師によって発展、その後の住職の意向により浄土宗に変わったそうで、臨済宗とは関係ないようです。

浄土宗の寺と言えば、以前のブログでも写真つきで紹介した「九品仏・浄真寺」が境内がモミジやイチョウなどの鮮やかな紅葉で有名ですが、永観堂はその境内の広さとスケールに圧倒されました。

南禅寺~永観堂近辺は、観光客でごった返す京都駅前や祇園と違って、その姿はほとんどなく、鎌倉の寺よりも拝観者が少なかった事には意外でした。
紅葉シーズン以外に訪れたのは初めてでした。

今年は3~4月の気温が高かったせいか、新緑のモミジが鮮やかでした。
小生も記憶が不確かですが、何年も前に一度だけ紅葉の時期に訪れた事があります。しかし混雑の記憶しかなくて、どういう境内だったのか覚えていませんでした。
中心に大きな池があり、水路に4つの橋がかかっていました。いくつかの堂があり、渡り廊下で移動できました。
境内は、モミジなど木々がたくさん植えられており、大きな庭園のようでした。
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by shinyokohama-fc | 2018-04-16 10:11

65歳以上で幻覚、ドパミン・アゴニストを少しずつ減薬を!


本日「医薬品安全対策情報」2018.4(No.268)が届きました。
薬剤が発売されてから、20年近く経過しても、新たな添付文書の改訂が行われるのが、普通です。

5ページ目に、プラミペキソールに関する内容が記載されていました。
注目すべきは「悪性症候群」「幻覚などの精神症状」

「悪性症候群」
本剤の急激な減薬または中止により、悪性症候群があらわれる」拙著 193~194ページ参照。
これがあるから、拙著タイトルは「少しずつ減薬すれば」になっています。

「幻覚などの精神症状」拙著 202~206ページ参照。
65歳以上の高齢者で、非高齢者に比べて、幻覚などの精神症状の高い傾向が認められているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。幻覚などの精神症状が現れた場合には、減量または投与中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用すること」
拙著の症例5(127ページ)、症例10(225ページ)では、プラミペキソールによる深刻な精神症状の事例を掲載しています。
ドパミン・アゴニストが精神症状の副作用が多いというのは実地臨床ではもはや常識ですが、特にプラミペキソールは増量すると大脳辺縁系のドパミン受容体(D2/D3)に選択的にダイレクトに作用してしまうからという

何度も言いますが、こういう深刻な有害事象から最初に気がつくのは家族です。つまり救えるのは家族しかいない訳です。
ですから、「医薬品安全対策情報」というのは、薬を服用している患者側に対して、薬局から直接提供されるべき情報ではないのか?と思います。
実際は、患者側は幻覚の副作用の事など全然知らないで服用を続けている、問診もロクに取る時間がない外来医は外来で気がつかないから、そのまま継続処方しているという事が多いのではないか。

2月16日に発売された、拙著を購読されたのを契機に、初診で来院された高齢者のうち、ドパミン・アゴニスト服用していた方は5名、そのうち2名がプラミペキソールを服用していました。内訳は以下のとおり。

①)67歳男性 発症16年目 PDDと診断
精神運動興奮を伴わない程度の幻視があったが、減薬により軽減
ロチゴチン 18mg/日
レボドパ/カルビドパ550mg、エンタカポン400mg、
ゾニサミド50mgを併用

②)66歳女性 発症15年目
幻覚などの精神症状なし
プラミペキソール徐放剤 3.75mg/日
レボドパ/ベンセラシド600mg、エンタカポン300mg、
アマンタジン200mg

③)70歳女性 発症12年目
幻覚は1年前にあり、現在はなし
プラミペキソール徐放剤0.375mg/日
レボドパ/カルビドパ550mg、セレギリン5mg
ゾニサミド25mg、イストラデフィリン40mg

④) 76歳女性 発症7年 PDDと診断
レボドパなどわずかな薬の増量でも幻覚が出る状態
レボドパ/カルビドパ 400mg(600mgから少しずつ減量)
ロピニロール8~14mg、アマンタジン200mg(過去に服用していた)

⑤)70歳男性 発症16年
幻視・幻聴・誤認妄想と顕著な精神症状出現
ロチゴチン23.5mg/日、ペルゴリド 1250μg/日
レボドパ/カルビドパ 400mg、エンタカポン300mg
ゾニサミド25~50mg (中止にて精神症状は消失)

レボドパ配合剤+ドパミン・アゴニスト+ゾニサミドという組み合わせが、症例⑤と同じような幻覚などの精神症状が、最も高い確率で出現しやすい事がいくつかの症例でわかりました。
このような場合にまず行うべき対策としては、
A)ゾニサミドの中止
B) ドパミン・アゴニスト徐放剤から速放剤への変更
C) ドパミン・アゴニスト速放剤を少しずつ減量
D) レボドパの1回投与量減量・服薬回数の増加

A~Dを実践することによって、ほとんどの症例で幻覚などの精神症状は軽減する事が、経験的にわかりました。
症例⑤)のように①だけでも軽減する方もいました。

もちろん運動症状が悪化しないように配慮していますが、これまでの経験では、少しずつ慎重に薬を変更すれば、運動症状の悪化はみられていませんでした。それはレボドパの1日量だけは減量していないからです。
プラミペキソールだけではなく、ドパミン・アゴニスト(受容体作動薬)の増量には、65歳以上の高齢者では、精神症状が出現しやすいので、かなり慎重になるべきでしょう。


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by shinyokohama-fc | 2018-04-12 18:06 | 治療

薬の多さを疑い、奈良から来られたパーキンソン病の方

先日、拙著を読んで奈良市からご主人と同伴で来られた方がいました。

70歳の女性で、私が見た印象としては「神経症的気質」で、女性のパーキンソン病の方には多いタイプだと思われました。

ご主人の書かれた経過を読ませていただきましたが、A4プリント3枚で非常にくわしく書かれており、よくわかりました。
以下、その要点だけ示します。

昨年5月、血圧が高いという事で、バルサルタン80mgを服用していたが、血圧の上下が著しく、アルファ遮断剤のドキサゾシン(朝2mg夕2mg)に変更となり、血圧の上下は消えたが、倦怠感がひどく動けなくなったので
1か月もたたずに自己中止し、倦怠感はなくなりました。


この当時、午前中作業をすると背中が凝る、指先が動かしにくく、細かい作業がしにくい、食欲がない、便秘傾向、体重が減った、話していると声が小さくなる、ろれつが回らない時もあるとの事でした。

昨年6月、地元の総合病院で内視鏡、超音波などを含めて全身の精密検査を受けたが、内臓には特別な異常は確認されませんでした。
神経内科による諸検査では、MRI検査は異常なく、ドパミントランスポーターシンチグラフィー(DATスキャン)を受け、線条体のドパミン集積が正常より大幅に低下していると指摘されました。

昨年8月、大阪市内の総合病院へ検査入院したそうです。
MIBG心筋シンチグラフィーで心筋の集積が低下している、レボドパ配合剤に対する反応(効果)が鈍い。嗅覚検査で異常なし、立っていると血圧が徐々に下がってくる(起立性低血圧)が確認されました。

結論として「パーキンソン病かそれ以外の病気かの判定ができない」
レボドパ/カルビドパ配合剤150mg×3回(毎食前)服用、血圧に対してはアムロジピン2.5mg1回を服用するように指示されました。
その病院の関連クリニックを紹介されたそうです。

レボドパ配合剤を開始して、背中の凝り、手指の動かしにくさ、話しにくさは改善したとの事です。その一方で
食欲がない、多く食べられない、薬を服用すると30分くらい気分が悪くなる。トイレが近くなった。

今回、当院まで来られた理由としては、以下のとおりです。
1) 薬の量が多すぎるのではないか?減らしたい、できればやめさせたい。
2) 本当にパーキンソン病かどうか疑問

レボドパ配合剤150mg×3回(1日450mg)も服用していることもあり
診察では、運動症状はほとんど確認できず。四肢の筋強剛は全くなしで
ベッドへ寝るなどの動作、歩行の速度はまったく正常に見えました。
手指の指タップで、左手がわずかに右手よりも落ちるくらいでした。
つまり、診察ではパーキンソン病らしさは皆無でした。
しかし、血圧測定では、やはり臥位から立位で30mmHgの持続性の血圧低下がみられ、立位での血圧は収縮期110前後でした。

拙著にも書きましたが、パーキンソン治療薬の最大の特徴というのは
「運動症状を改善する薬によって非運動症状が悪化する」という事です。
特に、自律神経が不調なタイプの方はその傾向が強いです
ほとんどの薬は自律神経に何らかの作用をして影響を与えるから当然です。

この方は、明らかにMIBG心筋シンチグラフィーでも心筋の交感神経集積が低下している、起立性低血圧などが確認されます。
当然、消化管(胃腸)の運動機能不全も推定されますので、
最初から1回150mgというレボドパ配合剤の服用がこの方にとって、多すぎるのは自明の理であり、消化器症状が出るのは当然と言えます。
私としては、運動症状の重症度がそれほどでもないにもかかわらず、レボドパ配合剤が多すぎるので、少しずつ減薬の方向で
とりあえず、レボドパ・カルビドパは100mg×3回としました。
常識的に考えれば、レボドパ配合剤はできるだけ減量して、他のドパミン作動薬を補助的に使うべきでしょう。教科書にはそう書いてあるはずです。

このケースで私が感心したのは、ご主人が「薬(降圧剤やレボドパ配合剤)が多すぎるんじゃないか」と感覚的に理解していた事です。
患者の事を一番よくわかっているのは、1~2か月に1回(大病院なら3か月に1回)、2~3分しか診ない医者などではなくて、ずっとそばで診ている
配偶者・同居者のはずです。「配偶者が事実上の主治医」と拙著に書いたのはそういう意味です。

今回は、苦労して本を書いたかいがあったと思いました。その一方で
1) 最初からこんな大量のレボドパを処方する理由が全く理解できない
2) 減薬したい、薬が多すぎるという要望を訊ける医者はいないのか?
という事を感じました。

6月17日(日曜日)にAP品川という会議室で、パーキンソン病とそれに関連した認知症をテーマにした講演会を行います。
この2か月で来られた症例も紹介します。
テーマはおそらく「パーキンソン病、増薬すれば悪くなる」になるでしょう。
今回、奈良から来たこの方のように、不要な増薬から守る事ができるのは、
配偶者など家族しかいません。

だから拙著は、医学書ではなく、一般書にしたのです。



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by shinyokohama-fc | 2018-04-10 11:58 | 治療
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