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パーキンソン無動型、DBS(脳深部刺激術)>>薬物治療の1例

パーキンソン病になって25年経過している、81歳の女性の方です。
75歳時に脳深部刺激療法 (DBS)を受けています。

そのおかげで、今も介助なしで歩行できています。やや足元を引きずって歩くので不安定に見えますが、不思議なことにまったく転倒しない状態でした。四肢の巧緻運動動作は右側がやや拙劣で左右差がありますが、ふるえはなく、無動型だったようです。

運動症状は、DBSのおかげですこぶる良好で、オフ現象もまったくみられず、前医処方薬は大幅に減薬してレボドパ・カルビドパ配合剤150mg(50mg×3回)だけですが、この薬も必要ないのではと思うほどでした。

その一方で、この数年で認知機能低下が進行していて、椅子に正しい位置に座れない、線二等分テストでは左側ができない、時計描画では右半分しか描けない、図形模写はできないという、構成障害と視空間認知が顕著という状況でした。
さらに起立性低血圧が20~30mmHg程度ありました。前医で処方されていた、降圧剤はすぐにやめさせました。

神経内科医によるパーキンソン病の外来診察というのは、認知機能(とくに視空間認知、構成能力など)とか起立性低血圧の評価をするという事がほとんどないようです。立位の血圧が100切っているのに、アムロジピン5~10mg処方しているとかよくありますからね。本来ありえないのですが。

運動症状はずっとそれなりに安定していたのですが、2か月前から姿勢の安定性が悪化して、2回後ろ向きに転倒したということでした。
それでレボドパ・カルビドパを250mgまで一時的に増やしたのですが、
1回量100mgで服用すると眠気が強くなり、かえって転倒のリスクが増えたようです。それで慌てて150mgに戻したそうです。

DBS電池の消耗が速い傾向にあったそうです。それでDBS手術を行った病院で電池交換をしていただいたところ、元のレベルに戻ったようです。

パーキンソン病は長くわずらうと、高齢になると、全員ではないが、DLBのような認知機能低下に至るケースも多い(PDD)ようです。
認知機能低下は大脳皮質に病理変化が拡散したことによるものです。とくに大脳皮質の後半部分が起源である、頭頂葉の障害である視空間認知障害は、薬がまったく通用しない症状です。

こういう症例ではコリンエステラーゼ阻害薬は副作用が出るだけでほぼ役立たずです。私も多くの症例に試してきましたが、すべてダメでした。
むしろ副作用で身体が曲がる、傾くという厄介な姿勢異常が高い確率で出てしまいますので、ほぼ有害です。

パーキンソン病を長年わずらって、認知症が出てきたので、コリンエステラーゼ阻害薬を追加服用というのはほぼ間違いだというのが経験的に理解できます。アセチルコリンを放出するニューロンが大幅に減っている状況でコリンエステラーゼ阻害しても全然ダメなわけです。

レボドパ配合剤も同じで、ドパミンを放出するニューロンが大幅に減ってるので、レボドパとか様々な薬を入れても、ただ眠くなったり、幻覚がでたりするだけで、全然役に立たない人が多いです。

その一方でDBSは病気がここまで進行しても、運動症状には有効であるというのは驚くべきことです。認知機能低下した進行期パーキンソン病では多くはドパミン作動薬は副作用のために不耐性になっているからです。
無動型のパーキンソン病の患者はできるだけ早期にDBSを検討したほうがいいでしょう。
どう見ても無動がひどいパーキンソン病でDBSの適応ケースであるにもかかわらず、薬物治療に固執し、レボドパ配合剤を大量に服用したあげく多剤併用して何年も経過した症例の予後はおおよそ不良です。

それは、多くのケースで薬の入れすぎを何年も続けた影響で神経伝達経路が混線して修復不可能になってしまうからだと思われます。そこにコリンエステラーゼ阻害薬を投入すればさらに混線するだけです。

薬物治療というのは、病気の経過が長くなり、薬の量と種類が増えれば増えるほどカオスに陥りやすいのは間違いないようです。



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by shinyokohama-fc | 2019-01-22 12:16 | 治療

せん妄の特効薬?

私の知人から面白い症例報告があったので、ぜひみなさんに紹介したいと思います。

以下、知人から来たメールを引用します(一部編集)。

もともと軽度認知症がある94歳の超高齢者の男性、他の病院でも入院した時に大暴れして、強制退院させられたことがあるほどの患者さんです。

今回は肺炎になって、CRP(炎症反応性蛋白)20mg/dl超の重症で入院。入院中はひどく弱っていて暴れる元気もなかったのですが、点滴して元気になったら、大暴れしてしまいました。夜間の当直Drがハロペリドール(セレネース🄬)を注射してもまったく効果なし、病棟のベテランナースには「もう強制退院させたら?」と言われましたが、CRP30mg/dl超でとても退院させられる数値ではなく、病棟は大変だったとは思いますが、とりあえず翌日まで経過観察としました。

その翌日、回診するとその患者さん「昨日はすみませんでした。」と謝られるほど落ち着かれ、何があったのか?と思いました。実は看護学生が実習対応されてから、ウソのように落ち着かれたようです。

今回のケースに関しては、認知症治療薬(ガランタミン、メマンチンなど)や抗精神病薬(ハロペリドールやリスペリドンなど)よりも、看護学生の対応が勝ったということです。

認知症の高齢男性に対しては、薬にムダなカネを使う(認知症治療薬+抗精神病薬)くらいなら、週に2~3回、若い女性と触れ合える場所に行ってもらったほうがいいのではないかと思いました。

(引用終了)
今回のメールの文章を読んだ感想

今回の患者さんと看護学生は人間としての相性が非常に良かったのではないでしょうか?高齢者の男性患者さんすべてが若い女性がいいというわけではないですし、若い女性であれば誰でもいいというわけではないと思います。いつも今回のように上手くいくとは限らないと思います。

ひとかどの仕事をしていたプライドの高そうな男性が高齢化して認知症になった場合、そのプライドの高さゆえ、しばしば家族や介護者を辟易させるほどのひどい行動心理症状を起こすケースがあります。

困った家族や介護者は、安易に鎮静剤による薬剤拘束を医者に請求しがちですが、この症例のように、大変なリスクを冒して、94歳の人にハロペリドールの注射をしたとしても何の役にもたたない場合も多いです。

ハロペリドールという薬は、大昔に病院で勤務していた時に、よく入院夜間せん妄の鎮静目的で使われていたのですが、心停止をきたす危険な心室性の不整脈を引き起こしたり、悪性症候群(高熱が出て、全身の筋肉がガチガチになり、瀕死状態になる)を引き起こしたりという症例を数多く診てきた私にとっては、危険でしかないです。

それはクロルプロマジン(コントミン🄬)の注射薬でもリスペリドンの内服液でも似たようなもんでしょう。抗精神病薬というのは非常にリスクの高いギャンブルでしかないというのが私の見解です。

高齢者が急病による入院/入所など環境変化による過活動性せん妄で暴れるというのはよくある事ですが、それが今回の看護学生のように人間的対応で解決するのであれば、これほど安全な方法はないでしょう。
逆によくあるのが、看護師や介護士の対応の問題か、患者さんとの相性が悪いのか、わかりませんが、かえって暴れるケースもよくあります。

看護師や介護士といった資格のある専門職にかぎらず、プライドの高い高齢者に対して上手に対応できる才覚のある女性というのはいると世の中にたくさんいると思います。資格のあるなしにかかわらず、そういうのが得意な人に病院や施設で仕事をしてもらうのがいいのではないかと思いました。

我々にできることはただ一つ。「その患者さんが暴れるような薬は2度と使わない」ということです。暴れるような薬は他の人にとっては合う薬かもしれないが、その患者さんにとっては毒でしかないのです。


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by shinyokohama-fc | 2019-01-18 10:50 | 治療

コリンエステラーゼ阻害薬+抗コリン作用薬の悪影響

前々回の「クロルプロマジン」のテーマでもいろいろ書きましたが、抗精神病薬というのは本来「統合失調症」の治療薬です。

しかし、日本の臨床現場では認知症の行動心理症状に使うことが当たり前であり、日常茶飯事になっているようです。

いちばん最悪なパターンが認知症治療薬であるコリンエステラーゼ阻害薬によって興奮させられた患者への抗精神病薬の追加投与です。

かつては抗精神病薬は、精神科専門医だけが処方が許された薬だったはずです。しかし、昨今は認知症で興奮する患者が増えたから、精神科専門でない、たとえば最近では施設の嘱託医師などが抗精神病薬を処方しているケースが多いようです。

しかしその危険性・有害性については特に検証されることなく、行動心理症状さえ抑えればいいのだという大義名分で正当化されている気がします。

抗精神病薬の危険性・有害性については、このブログで何度も書いてきました。元祖・抗精神病薬であるクロルプロマジンの少量処方ですら長期継続では深刻な問題をおこすこともブログに書いたわけです。

抗精神病薬の問題はまず第一にドパミン阻害作用による薬剤性錐体外路症状(EPS)ですが、実は抗コリン作用(アセチルコリン抑制作用)も短期的・長期的に問題になりえます。
わかりやすく言うと、ずっと服用し続けると動けなくなって、ぼけてしまう
薬です。

韓国で、認知症患者群においてコリンエステラーゼ阻害薬開始後の抗コリン作用性負荷と治療変容の関連を評価した研究が行われ、それが発表されたようです。
韓国の嶺南大学のYoumg-Mi Ah氏らが実施した臨床調査では、2003~2011年にコリンエステラーゼ阻害薬を開始した高齢者2万5000人を後ろ向きに分析し、抗コリン作用性高負荷がどれほど影響するかを検討されました。

抗コリン作用性負荷は6.0%に認められ、治療変容、せん妄、死亡はいずれも対照群よりも有意に増加していたという結果でした。
すでにコリンエステラーゼ阻害薬を服用している認知症患者に抗コリン作用性の薬剤を追加するのは良くないという事が証明されたと思います。


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by shinyokohama-fc | 2018-12-28 12:39 | 治療

ある認知症専門医の雑感

認知症専門科?認知症専門外来?っていったい何のためにあるのか?認知症治療薬はいったい誰のために必要なのか?そういう事を考えさせられる事例を最近診る機会がありました。

総合病院には「認知症専門の診療科」が最近あるようです。国をあげて「認知症を早期発見・早期治療しろ」と煽っているからなのでしょうか?まさに「認知症」というのは現代医療のトレンド?のようです。

60歳代後半の男性、2年前に奥様が「物忘れ」が気になり「認知症専門の医療機関」を受診し「アルツハイマー型」と診断されましたが、ここでは処方はされていませんでした。

この男性は勤務先の近くの総合病院の「内分泌代謝科」で「糖尿病」で通院中でしたが、そこから同じ病院の「認知症科」にコンサルトされて、1年半前から定期診療を受けていたようです。診療情報提供書によると通院開始当初(初診時)は、一人で公共交通機関の利用、スケジュール管理などが可能だったようです。「服薬も本人が管理できている」と記載してありました。

キツネハトテストができず、遅延再生が悪く、MMSE26/30点、FAB17/18点、時計描画テスト15/15点、その他さまざまな高次脳機能評価がされていました。
髄液検査でアミロイドベータが基準値の2倍以上検出されました。
MRI 検査で側頭葉の萎縮はあるが、海馬萎縮は目立たない一方で、両側側脳室周辺、放線冠に結節状の高信号域が散在し、高度の虚血変化があったようです。
脳血流シンチでは皮質全域の血流低下がある一方で、皮質下の血流は低下していなかったようです。
DATスキャンでは両側線条体への集積が軽度低下 (SBR 右3.8 左3.3)

結局、アルツハイマー型とレビー小体型の合併と診断されたようです。
そして初診時からドネぺジル5mgが処方されたようです。

その後、1年で認知機能は悪化して勤務できなくなり、易怒・暴力がひどくなり、奥様は一緒に住めなくなり、実家に滞在することになったようです。
事実上、一人暮らしとなり、飲酒量が際限なく増えてしまい、結果的に元々服用していた糖尿病の薬も、ドネぺジルも服用できなくなりました。

1か月前に当院を受診されて、診察する事になったのですが、時計描画は顕著なクロージング現象で、数字が枠から大きくはみ出ていました。図形模写もできません。少なくとも1年前は完全に描けたそうです。その一方で、動作の緩慢さはなく、診察時の礼節は維持されていました。

ドネぺジル5mgの服薬を契機にした認知機能の悪化と推定されました。

この症例がここまで悪化した理由はいくつか推測されます。
1) 飲酒量が多すぎて、アルコール依存症レベルだった
神経系に作用する劇薬とアルコールの併用は禁忌です。

2) アルツハイマーとレビーと脳血管性の合併例であった
併発する症例においては、アセチルコリンが枯渇状態である事が推定されますので、強力なコリンエステラーゼ阻害薬により悪化する可能性が高い。
脳血管性認知症にドネぺジルを使用すると死亡率は9倍になるという報告もあり、海外では脳血管性認知症にドネぺジルの使用は推奨されておらず、代わりにガランタミンが使用されています。

3) 服薬が正確に行われる環境ではなかった
アルコールとドネぺジルの併用によって行動心理症状(易怒・興奮)が悪化してもなお、服薬が本人管理のままだった。
添付文書上、認知症治療薬は本人管理してはいけないことになっています。逆に言えば、本人管理できる患者は、認知症治療薬を服用する対象ではない
と言えるでしょう。

ドネぺジル(先発品)の添付文書、臨床的に意味のある効果判定方法である、全般的臨床症状評価 (CIBIC-plus)を用いて実施した287例の解析結果

ドネぺジル5mg使用96例
著改善0、改善4、軽度改善27、不変26、軽度悪化30、悪化9、著悪化0
ドネぺジル10mg使用90例
著改善0、改善7、軽度改善35、不変20、軽度悪化19、悪化9、著悪化0
プラセボ101例
著悪化0、改善6、軽度改善18、不変30、軽度悪化34、悪化11、著悪化1

ドネぺジルを服用すれば「32~47%前後の症例では改善する」一方で、「30~40%程度の症例では悪化する」という結果になっています。改善と悪化はほぼ同数で「どちらに転ぶかわからない」が現実でしょう。それは患者の体質は一様ではなく、薬の感受性も個人差が大きいからです。

他の認知症治療薬はまだ歴史が浅く、このような臨床試験は行われていないようですので、実態は不明です。ドネぺジルとはコリンエステラーゼ阻害作用の強度がかなり違うので、別の結果になると推定されます。

このような現実を踏まえて、フランスでは認知症治療薬を保険適用から外したのだと思います。認知機能の改善という点でいえば費用対効果がよくない
という事に尽きるのだと思います。

欧州ではインフルエンザ治療薬も初期から使用しない方針だそうです。健常人のインフルエンザ感染者が重症化する確率が少なく、治療薬を使わなくても大多数の感染者が自然治癒するというのがその理由です。
それよりも感染が拡大させないために「自宅で安静に」と指示して、医療費を極力使わせないという方針が徹底されているようです。
日本だけがインフルエンザ治療薬を使いすぎている現状には批判的な意見もあるようです。それは認知症治療薬も同じことかもしれません。

余談ですが、日本と欧州では医療費に対する考え方が大きく違うということを申し上げたかったのです。
つまり、日本は国民皆保険に基ついた過剰医療であるため、恩恵を受けるケースも多いが、薬害を受けるケースも多くなるのは当たり前なわけです

このケースはその典型例だと思われますが、そもそもアルコール多飲との併用や本人管理を許容した状態で、ある認知症専門医が外来でステレオタイプ的に診断して判で押したように認知症治療薬を処方しているという現状には呆れるばかりです。もはや論外ではないでしょうか。

このケースにまず必要なのは、「アルコール依存症の治療」であったことは言うまでもありません。

小生は「神経内科専門医」ですが「認知症専門医」ではありませんので、あえて批判的に書きました。それくらい許しがたい事例でした。
小生は認知症治療薬の存在を否定しているのではなく、適切に使用できるケースを厳密に選択する必要があると申し上げているのです。

このケースのような認知症治療薬の不適切使用が横行しているのが、日本の現状ではないかと推定されます。
現状のような認知症治療薬の乱発乱用が臨床現場を混乱させているのは言うまでもありません。
このような状況が続くのであれば、いっそのことフランスと同じようにしてしまえという意見が大きくなってくるのも仕方ないのではないでしょうか?


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by shinyokohama-fc | 2018-12-20 14:38 | 治療

クロルプロマジン(ウインタミン、コントミン)処方をやめた理由

2年前から新規でクロルプロマジンを処方するのはやめました。
12月2日に品川で行われた、脳神経変性疾患研究会においての小生の講演
クロルプロマジン(ウインタミン🄬・以下CP)を2~4年の間、85~88歳女性、高齢の重症レベルの前頭側頭型変性症に処方し続けて、多大な有害事象を招いたという事例を2例発表しました。

1例目は行動異常型タイプで、多幸的で脱抑制と行動異常が顕著なタイプでしたが、今から2年と半年前にCP30mg/日から開始してから、徐々に減量して現在は6mg/日(朝2mg/夕4mg)で維持しています。鎮静目的でCP 以外にも、バルプロ酸やカルバマゼピンなどの少量投与も試しましたが、いずれもごく少量でも嗜眠、ふらつきが強く継続が困難でしたので、やむをえず、CPを漸減 (加齢と病状進行のため)して長期に継続していました。
1年前から、動作が悪化し立位が保持できなくなりました。診察のたびに頸部~体幹、四肢の筋強剛が強くなってしまいました。今はガチガチに硬くなっています。

2例目は語義失語タイプで、多幸的だが脱抑制と気分変調が大きく、今から4年前からCP8~12mg/日(朝昼夕各4mg)で処方を継続していましたが、
1~2年前から徐々に動作が遅くなり、嚥下障害が悪化しており、半年前の今年4月についに誤嚥性肺炎を起こしてしまいました。激しい咳嗽の後、嘔吐、意識朦朧となり、診察したときは37℃の微熱、努力様呼吸、胸部からは湿性音聴取、酸素飽和度低下しており、すぐ救急病院へ診療を依頼しました。高齢者の重度レベルの前頭側頭型変性症であったため、入院はせず、外来治療になりましたが、奇跡的に回復されました。
これを期にCPを中止してもらいました。CP中止後は、以前あった嚥下障害は大幅に軽減したようで、動作も非常によくなりました。

CP(クロルプロマジン)はもっとも古い抗精神病薬で、精神科では古くから使用されていた薬です。鎮静作用がある一方で、抗コリン作用 (アセチルコリンを抑える作用)も強く、高齢者には推奨できないという意見も多い薬です。

短期間なら問題なくても、長期間服用して問題になることが多いようです。
一般的によく言われるのは、心臓の伝導障害、致死的不整脈ですが、高齢者の女性は慢性心不全が多いので確かに危険性が高いといえます。

神経内科的にそれよりも問題なのは、やはり薬剤性EPSであり、服用開始後かなり経ってから、四肢・体幹のジスキネジア、ジストニアは多いですし
今回発表したような、パーキンソニズムによる筋強剛、嚥下障害も比較的多い気がします。

「CPでも少量だったら安全??」という事でよく頻用される先生方もおられるようですが、抗精神病薬の場合は中途半端な用量だと効果がはっきりしないか、「奇異反応 (逆に興奮が悪化してしまう)」が起こりやすいようで、私が20例ほど使用した中で有効でかつ忍容性があったのが上記のわずか2例だけでした。
つまりCPで望むようなちょうどいい効果を出すというのは難しく、長期に服用を続けると「薬剤性身体拘束」のようになってしまうのです。

そのために、2年前から新規のCPの使用はやめて、新しい方法を模索しています。



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by shinyokohama-fc | 2018-12-07 12:32 | 治療

第1回脳神経変性疾患研究会

昨日、第1回脳神経変性疾患研究会が品川駅東側の会議室で行われました。時間は13時15分から16時15分までのわずか3時間でした。
第1部が、小生の講演、第2部が世話人の3名の先生方の症例報告で、その後、ディスカッションを45分という構成でした。
私も自身の講演と後半のディスカッションでは進行役を務めました。

まったく初めての研究会で、同じテーマ「陽性行動心理症状に対する薬物療法」というテーマでしたので、非常に多くの先生方に発言してもらい、多様な意見を引き出せたのではないかと思います。世話人の先生方以外にも知っている先生に指定発言をいくつかお願いしました。
参加者の1人の先生からは「大変濃密で充実した時間だった」という、感想をいただいたので、企画した小生も大変満足しています。

まだ第1回目で、今回は医者中心のディスカッション、討議が主体の研究会でしたので、参加者が50名以下と少なく、また新規参加の先生方からの発言(意見)や質問が少なかったように思います。
来年以後は参加者を増やして、もう少しディスカッションの時間を十分とれるようにしたいと思います。

できるだけ多くの参加者に自由に発言してもらい、多様な意見を吸収するのが、この研究会の趣旨ですので、みなさま次回もよろしくお願いします。


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by shinyokohama-fc | 2018-12-03 17:13 | 治療

ドネぺジルを安易に服用しない

ここ1年くらい、新患 (初診)患者さんに見られなかった、ドネぺジルの不適切処方・服用被害症例を時々見かけるようになりました。

症例1) 68歳男性
2~3年前まで会社に勤務していたが、30年前から糖尿病があり、目がかなり悪くほとんど見えないので、伝い歩き。
動作は遅くなくて普通。幻覚は訴えない。事実上独居で、大酒家で飲み歩く
状態で、有名病院の認知症科?からドネぺジル5mgが処方されている。
そこでは「レビー小体型認知症 (DLB)」と診断されているらしい。
詳しい診療情報は届いておらず、なぜDLBと診断したのかは根拠が不明。

まずドネぺジルに限らず、抗認知症薬は、本人管理が禁止されています。
認知症の患者さん自身に服薬管理は困難で、誤服薬の危険があるからです。
独居で認知症の方にどうしても抗認知症薬を服用させたければ、誰かに責任もって管理させて毎日訪問させて服薬させるしかないわけですが、現実的にそれは難しいので、どこかホームか施設に入ってもらうしかないわけですが、そうまでして服用する価値のある薬なのか?という事を考える必要があります。
それに加えて、この症例の場合は、大酒家で毎日飲み歩いているので、そんな患者さんに神経系に興奮作用する薬を処方すること自体が論外な訳です。
有名病院の認知症科ではそういう患者背景を検証することすら一切せずに、ただ病気の診断がDLB?だからドネぺジルを処方しとけばいいという事なのでしょうか?

症例2) 79歳男性
3年前から左手のふるえ、話しにくいという症状があり、2年前に総合病院の「神経内科」を受診。症状による操作的診断から「パーキンソン病」と診断されて、レボドパ配合剤100mg×3で治療、その後、プラミペキソール1.5mgが追加されて日中の眠気で中止。今年から「物忘れ」が目立ってきたため、ドネぺジルが追加されて、8mgまで増量されたそうです。さらに近所の開業医からゾルピデムとかエチゾラムが処方されていたようです。
ドネぺジル開始してから、夜間のせん妄?による徘徊、異常行動、反響言語が現れたそうです。
ご家族が、現在の診断、薬物処方を不審に感じ、当院へ転院されました。

診察では、時計描画テストでクロージング現象あり、図形模写もかなり小さく、ベッド上の動作も緩慢で拙劣でした。一見「パーキンソン病+認知症」かと思いました。ただし、現在の薬物が効いているようには思えなかったので、診断見直しのため、レボドパ配合剤とドネぺジルは少しずつ減らしてから、中止としました。中止による病状の悪化は確認されませんでした。

2回目の診察では大声で突発的に話す、明らかな反響言語があり、同じフレーズを繰り返し言いました。ふるえは動作時に出現して静止時にはなく、MMSEでは15点/30点でした。何よりも臥位から立位での起立性の血圧低下が全くみられず、PDDやDLBらしくないと感じられました。

DLBに最も親和性のある、リバスチグミンを少量より開始しましたが、ごく少量1.125mg~2.5mgでも動作が急激に悪化するという奇異反応が確認されたためすぐに中止しました。

これはおかしいと感じたため、MIBG心筋シンチグラフィーの検査を近隣の医療機関に依頼しました。
結果は「集積低下なし」心臓交感神経の脱神経はなかったという事です。
つまり「進行性核上性麻痺症候群のパーキンソン類似タイプ(PSP-P)」と診断しました。除外診断のための検証が必要な難しい症例でした。

進行性核上性麻痺症候群(PSPS)については、次回のブログでくわしく書きたいと思いますが、この症例のように「パーキンソン病+認知症 (PDD)と誤診されているケースが多いです。以前から何度も言っているように、ドネぺジル、リバスチグミンのようなアセチルコリンの分解を阻止して増やす薬は禁忌です。最近はガランタミンも合わない症例が多い事を知りました。

PSPSに使っていい神経系作用薬は、アマンタジンだけだというのが、小生の最終的な結論です。

ここで言いたかったことは、専門医が十分な鑑別診断も行わず、認知症とみれば、安易にドネぺジルを処方したがるのが問題なわけです。
動作歩行に問題のある人はドネぺジルを服用すべきではありません。
薬剤性パーキンソニズムの原因薬剤だという事を忘れずに。
特に進行性核上性麻痺症候群 (PSPS)の場合は症例によって深刻で急激な悪化が見られますので、要注意です。


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by shinyokohama-fc | 2018-11-22 18:43 | 治療

認知症の「陽性行動心理症状」がテーマ

12月2日(日曜日)「第1回、脳神経変性疾患研究会」が
品川シーズンテラスの3階で開催されます。
参加者は医師、看護師、薬剤師にしています。
今回から始まる研究会ですが、初回は「認知症の陽性行動心理症状」がテーマです。私以外の3名の先生方に30分の短い講演をお願いしています。それらの講演を基調にして質問や討論の時間をとります。

1つのテーマで4人が話すというのは恐らく珍しいのではないかと思います。
同じテーマでも意見や考え方が様々で異なるのは当たり前のことで、それを前提にした研究会で、多様性を重視したいと思います。
今回は時間の都合で、ディスカッションの時間が30分と短くなってしまいましたが、参加された先生方にはできるだけ自主的に意見を言ってもらいたいと考えております。

小生の講演内容ですが、抗精神病薬の限界についても症例を提示しながら、説明しようと考えています。
高齢女性の脱抑制タイプの老年認知症の方々にクロルプロマジン(ウインタミン🄬、コントミン🄬など)を処方されて2年以上継続したが、その後どうなったか?2症例を提示します。



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by shinyokohama-fc | 2018-11-19 12:36 | 治療

週刊現代記事の補足説明


今週号の「週刊現代」「医療大特集 知っているのと知らないのでは大違い」という記事の取材に答えました。
週刊誌の記事という事もあり、紙面の都合などの事情で、編集でコメントが短縮されています。

この記事を読んで、このブログを見ている人もいると思いますので、この記事における、私が答えているパートについて誤解を招く部分もあるかと思いましたので、ここで補足説明をしておきたいと思います。

まず156ページ「糖尿病のスルホニル・ウレア(SU)薬について」
「SU薬は効果が強すぎるため、血糖値が下がりすぎるのです。低血糖になれば、脳神経にも影響が出て認知症のリスクも高くなります。」
小生がまだ20年以上前の研修医で病院勤務していた時代には、インスリン以外の薬はメトホルミンとこのSU薬しか存在していませんでした。その後の20年で糖尿病の治療薬として、様々な新薬が続々と上市されました。
研修医時代に、救急外来において、SU薬服用中の高齢者において、遷延性の重度の低血糖による意識混濁の症例を多数診療する機会があり、その多くがインスリンではなく、このSU 薬を服用していました。いくら糖液を大量に注射しても血糖が全く上がらず、二度と意識が戻らなかった事を今でも昨日の事のように覚えています。特に高齢者では無症候性の低血糖を繰り返して
認知機能低下やせん妄(軽度の意識障害)に至る事例も少なくないようです。
糖尿病学会専門医の講演会などでも近年はこの薬は低血糖リスクが最も高く、膵臓を疲弊させやすいので、他にリスクの少ない新薬が数多くある現在では推奨されなくなりました。

157ページ「高コレステロール血症;クレストール、リピトール」
「米国食品医薬品局(FDA)は、高齢者が服用し続けると認知機能が低下すると注意喚起している。コレステロールを薬で下げすぎると筋肉も衰えていくので注意が必要です」
小生は、若年~中年で家族性と思われる、高コレステロール血症の方々には、これらの薬(スタチン)は処方しています。スタチンの普及により動脈硬化が予防されて、動脈硬化性の脳梗塞や心筋梗塞・狭心症は減少しているのは事実です。しかし、一方で高齢者、認知機能低下、認知症においては、MMSEスコアがスタチンの中止によって上がるというのも事実です。
FDAがこの発表をしたのが、2012年、最近は海外の認知症の専門医の間では、スタチンで認知機能が低下するというのは常識となっています。
それだけではなく、高齢者、特に女性においては末梢神経や筋肉も衰えてくるので、いわゆるフレイルを誘発するケースも多いのではないかと推定されます。

157ページ、「痛み;トラムセット」
「トラムセットは膝や腰が痛い人によく処方されるが、高齢者は意識障害や痙攣を起こすこともある」
「トラムセット」というのはトラマドールとアセトアミノフェンの配合剤です。問題なのは「トラマドール」であり、トラマドールの単剤はトラマール、ワントラム(徐放剤)という商品名で発売されています。この薬は麻薬および類似薬のカテゴリーに入っていて、オピオイド(準麻薬)と呼ばれる薬です。薬の性質上、高齢者とか重度の脳疾患後遺症の方が内服すると、場合によってはとんでもない副作用が出てしまいます。開業当初に、この薬で深刻な意識障害をきたしていた方が、家族が「レビー小体型認知症」ではないかと疑ってわざわざ横須賀から来られたという事がありました。つい最近も、90歳の認知症の方にこの薬が処方されて、ひどい意識障害と痙攣を起こしていたケースを見た事があります。

158ページ
「マイスリーは米国で「せん妄(幻覚)が出る上に依存性がある」と大きな問題になりました。私の患者さんでも、せん妄が出た人は服用を中止しました。ほとんどの睡眠薬は依存性が強く、離脱するのが難しいです(以下略)」
最近は後発品が多いので、ゾルピデムという名称のほうがなじみがあるのではないかと思います。先のブログでもくわしく書いたように、パーキンソン病、レビー小体型認知症などでは、この薬は禁忌だと考えています。このような病気でなくても、80歳以上の高齢者では、この薬によって夜間の幻覚を伴うせん妄、レム睡眠行動異常のような症状が誘発されやすいので危険です。短時間で効果が切れるので、薬効が切れてからが問題になりやすいのです。

個人的には、薬の話をするときは、講演会でも文書でも、薬の名称は「一般名」で統一するようにしています。
決して、製薬会社に対する誹謗中傷ではなく、副作用を正しく知っていただく事が最も大事ではないかと考えています。
そういう意味では週刊誌の書き方は、やや煽情的であらぬ誤解を招きかねないのではないかと心配になることもあります。


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by shinyokohama-fc | 2018-11-02 12:38 | 治療

プレタールとシロスタゾールの違い

シロスタゾールという薬。
大塚製薬から、プレタールという商品名で発売されてから、かなりの年数が経過していますが、いまだに繁用されている薬です。

抗血小板作用、血流増加作用、内皮機能改善・保護作用、血管平滑筋細胞増殖作用が公式には示されています。

1)脳梗塞(心原性塞栓症を除く)発症後の再発抑制
2)慢性動脈閉塞症に基つく潰瘍
が保険適用であるが、多くは1)「脳梗塞」の病名で使用されています。

高齢者の場合は、MRI検査をすれば、大なり小なり、微小血管障害による
「ラクナ」と呼ばれている梗塞後変化が確認されます。
この「ラクナ」が基底核で増加すると「パーキンソニズム(動作緩慢・歩行障害・下肢の筋強剛)」が現れやすくなり、皮質で増加すると「認知症」が現れやすくなります。
そのために「ラクナ」を予防する必要性は意義があります。

10月21日に一緒に講演させていただいた、平川先生は700例を超える「認知症」の症例に使用し、脳血管性認知症 (VD)で50%、レビー小体型認知症(DLB)で45%、アルツハイマー型認知症 (AD)で30%の改善率があると著書 (177ページ)で示しています。

シロスタゾールはホスホジエステラーゼ(PDE)3活性を選択的に阻害して脳血管を拡張させて、脳血流を増加させる作用があるようです。
PDE3活性阻害により、脳神経細胞内にある、cAMP 応答配列結合タンパク(CREB)のリン酸化が促進されて活性化し、大脳皮質が関与した高次脳機能 (認知機能)を改善させると言われています。

しかし、平川先生は、プレタール(先発品)とシロスタゾール(後発品)の多数症例による比較検討まで実施していて、その結果によると、プレタールは有効だった症例が、シロスタゾールに変更すると効果がなくなるそうです。
それを講演で聴いて以後は、小生はこの薬に関しては先発品でしか処方しないことにしていました。

この薬のもう1つの効果に「誤嚥防止効果」というのがあり、すでに15年前にはそういう効果が報告されていました。

このたび、小生の外来に、「椎骨動脈解離後に脳幹(延髄)梗塞を発症した」50歳の男性の方が初診で2週間前に来られました。
5月初めの発症で、すでに発症して5か月半経過していました。
リハビリ病院からの紹介、後発品のシロスタゾール、100mgを1日2回(200mg/日)が処方されていました。

初診時は延髄梗塞の後遺症によって、構音障害が強く、普通の速さ、大きな声で話しができず、嚥下障害も強く、食べ物を飲み込むのに苦労しており、時にむせる状態でした。特に夜間に唾液がたくさんたまって、就眠中に3回ほど覚醒して、たまった唾液を嘔吐するという状況でした。

前医処方が後発品であったので、もしかしたら、先発品(プレタール)に変更すれば、上記の症状が改善するのではないかと考えて、患者さんにも上記の事情を説明した上で同意をえて、先発品の処方箋を切ることにしました。

2週間後、再診されて驚きました。
なんと、あれだけ話しにくかったはずなのに、別人のようにハキハキと普通の人と変わらないくらいの速さで話せていました。
嚥下も良くなったようで、夜間唾液がたまって覚醒して、むせて嘔吐するということも一切なくなったとのことでした。
患者さんが先発品薬の有難みを実感されたのは言うまでもありません。

「ここまで先発品と後発品は違うのか」という事と、プレタール(先発品)の誤嚥防止効果の凄さというのを改めてリアルに実感できました。

つまり何が言いたいかというと、後発品が先発品と同様の臨床試験をしないかぎり、有効性・安全性に関しても疑いは晴れないと思います。
シロスタゾールの後発品メーカーはいくつかありますが、あえてどの会社のものかはあえて確認していません。
しかし、こういう事例がある以上、後発品すべてに対して改めて、有効性・安全性に対して検証する必要があるのではないでしょうか?

今回は、リハビリ病院では後発品を処方されて効果がなく、当院から先発品に変更して、劇的に改善したわけです。
脳梗塞発症して6か月近く経過し、この2か月で症状がまったく変わらなかった事を考えれば、これは自然経過ではなく、先発品・プレタールの効果だと考えて間違いないでしょう。

長尾先生もブログに、抗不安剤を後発品(ジェネリック)に変更して、患者側から有効性がなくなったとクレーム言われたという記事を書いておられましたが、血圧を下げる薬でも、先発品→後発品の変更で効果がなくなったという患者さんからの声は日常的に聴かれます。

我々内科は、薬を選択して処方して、患者さんを少しでも良くしたいという想いでこの仕事をやっています。

国が後発品を推進したいと言うのであれば、先発品メーカーに後発品として発売していただく(オースライズド・ジェネリック)か、それ以外の後発品メーカーには臨床試験で有効性・安全性を改めて証明させるという事をしていただかないととても納得できません。

医者は信用して薬を処方できないし、患者さんは信用して薬を服用できないのではないでしょうか?
後発品を推進する前に「効果のはっきりしない薬に金を払う必要があるのか」という事を改めて考え直したほうがいいでしょう。

今回の症例の方は、まだ50歳で仕事もしなければいけない年齢でした。



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by shinyokohama-fc | 2018-11-01 12:17 | 治療
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