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山門(寺院の玄関)の数々

寺院には通常、総門と山門があります。総門はどこの寺院でもあるのですが、立派な山門を構える寺院というのは限られているようです。
この2~3年で小生が訪れた寺院で、特に山門が印象に残る寺院のものを集めてみました。
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建長寺・山門 (鎌倉市・臨済宗)
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光明寺・山門 (鎌倉市・浄土宗)
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南禅寺・山門 (京都市・臨済宗)
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慈恩寺・山門 (寒河江市)
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総光寺・山門 (酒田市・曹洞宗)

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恐山・菩提寺(円通寺) (むつ市・曹洞宗)

山門は、仏教寺院の正門であり、左右に金剛力士像(仁王像)が鬼のような形相で立っています。寺院は本来「山」に例えられ「山号」が名称についています。山門をくぐれば「入山する」という意味で、解脱(悟り)を求める人々は、この門から中に入りなさい(入山しなさい)という意義があります。
別名「三解脱門」と呼ばれていて、「空」「無相」「無作」の3つから解脱するという意味だそうです。
この写真でお見せしている「山門」はいずれも特に由緒ある有名な寺院の山門であり、「南禅寺」など日本有数の大きさの山門もあります。
「山門」は寺院の「顔」と言えると思います。普段は中は非公開ですが、期間限定で、公開している寺院が多いようです。
「慈恩寺」など非常に古くから残っている木造建築もあり、文化遺産としても貴重な山門も多いようです。


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by shinyokohama-fc | 2018-05-14 12:02

古寺巡礼(4) 永観堂・禅林寺(浄土宗・京都市)

4月15日に内科学会で京都市へ出張しました。
学会会場から徒歩10分くらいで行ける距離に有名な寺がいくつかありましたが、今回は南禅寺と永観堂を拝観することにしました。

永観堂・禅林寺は「モミジ寺」として大変有名な寺で、毎年紅葉の季節には観光客で混雑するようです。

名前からして、南禅寺のような禅宗の寺かと想像していましたが、もともとこの寺は真言密教の寺として始まり、後に永観律師によって発展、その後の住職の意向により浄土宗に変わったそうで、臨済宗とは関係ないようです。

浄土宗の寺と言えば、以前のブログでも写真つきで紹介した「九品仏・浄真寺」が境内がモミジやイチョウなどの鮮やかな紅葉で有名ですが、永観堂はその境内の広さとスケールに圧倒されました。

南禅寺~永観堂近辺は、観光客でごった返す京都駅前や祇園と違って、その姿はほとんどなく、鎌倉の寺よりも拝観者が少なかった事には意外でした。
紅葉シーズン以外に訪れたのは初めてでした。

今年は3~4月の気温が高かったせいか、新緑のモミジが鮮やかでした。
小生も記憶が不確かですが、何年も前に一度だけ紅葉の時期に訪れた事があります。しかし混雑の記憶しかなくて、どういう境内だったのか覚えていませんでした。
中心に大きな池があり、水路に4つの橋がかかっていました。いくつかの堂があり、渡り廊下で移動できました。
境内は、モミジなど木々がたくさん植えられており、大きな庭園のようでした。
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新横浜フォレストクリニック
内科・漢方内科・老年内科・神経内科

JR・新幹線・横浜市営地下鉄 
新横浜駅 篠原口より徒歩1分






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by shinyokohama-fc | 2018-04-16 10:11

前頭側頭葉変性症を学ぶセミナー

昨日、品川の会議室において、
「前頭側頭葉変性症 つくしの会(家族とその仲間の会)」の主催で、
「前頭側頭葉変性症をきたす様々な病気の特徴とその対症療法」というテーマで僭越ながら、小生が60分の講演をさせていただきました。
そのあと、60分は質疑応答に応じました。

たぶん「患者会」をメインにして講演をさせていただいたのは初めてではないかと思います。
やはり「患者会」は真剣度は医者とは全然違うと感じました。それは自分の家族だからでしょう。
前頭側頭型変性症(FTD)という病気は、国に難病指定されている病気ですので、有効な治療薬はありません。
いわゆる「ピック」と呼ばれる、行動異常型とか意味性認知症(そもそも認知症という言葉が不適切だが)症候群に関しては、発症年齢が60歳以下であり
中高年期の発症であるがゆえに、高齢者にくらべて病気の進行が速くて、より重いという印象があります。

小生の経験では、このような患者さん達には、いわゆる抗精神病薬(内容については以前のブログを参照ください)は通用しない事がほとんどです。
かつて小生のクリニックに訪れた、外来の初診患者でも、抗精神病薬を4種類か5種類以上とっかえひっかえ服用した結果として、深刻な不随意運動が現れたり、かえって易怒・興奮性が増強したりという症例が多かった気がします。

終了後にも介護者(家族)から相談を受けたのですが、
とにかく「抗精神病薬原理主義」みたいな担当医で、
「すでに認知機能がかなり落ちていて、日常生活動作にも困っているのに、なかなかクロールプロマジン(CP)を減らしてくれなかった
という不満を訊かされました。

今回の講演会の内容としては、前頭側頭型認知症にとっては抗精神病薬は極力使うべきではない(少なくとも外来という診療形態では)という話をさせていただきました。
それは、上の症例のように、抗精神病薬の長期服用によるデメリット、薬害の部分が大きくなるからです(詳しくは以前のブログ参照)。
病状が進行して1年以上もすれば、多くの場合は易怒・興奮の時期は過ぎ去り、無為の症状が目立ってきます進行したステージではむしろ脳の活動を抑えてしまう薬は良くないのは当然と言えます。

せめてゆっくりと少しずつ減量して経過を見るべきでしょう。
患者側がしつこく頼みこまなければ、減量もしてくれない?
まったくもっとおかしな話です。
患者の状態を一番よく診ているのは一体誰なのか?

しかし、一部には「前頭側頭型認知症=抗精神病薬」みたいなステレオタイプ的(自分の頭で何も考えていないのか?)で頑迷であり、患者家族にとって大迷惑な臨床医が少なからず存在するのも事実です。
そういう臨床医はこの病気の診療から手を引くべきではないかと思います。

私は少ないながらも、このタイプの患者さんを外来で診察してはいます。
80歳台半ばの患者さんは、クロールプロマジン(CP)12.5mgを2年以上内服していましたが、つい最近になって
「歩くと息切れがする」「疲れやすい」「自分から動かない」などが見られ
中止に踏み切りました。中止して以上の症状はすべて軽減しました。
思えばもう少し早期に中止すべきだったと後悔しています。
心不全で入院しなくて良かったと安堵しています。

最後に一言
「抗精神病薬で前頭側頭型変性症は治りません」


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by shinyokohama-fc | 2018-02-26 16:58

北九州へ出張



先日、実に久しぶり、何年ぶりかに、北九州市を訪れました。
福岡県へ空路では福岡空港には2度行った事がありますが、北九州空港には初めて行きました。関西空港のように海上にある空港ですが、空港から新幹線駅のある小倉駅前まではやや距離がありましたが、高速道路を走るので、深夜だとシャトルバスで30分前後で到着しました。

北九州市小倉北区にて実地医家の先生方向けの講演会でした。参加者の先生方からも興味深い質問があり、有意義な時間だったと思います。
講演が終了した後に、会場から徒歩で、小倉城(写真)に行きました。
当日は強い寒波の影響で、外気温が2~3度くらいで強い寒風が吹いて、非常に寒い日でした。


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その後、観光目的でJR鹿児島本線の終着駅である、門司港駅に向かいました。写真のように、すごく古く懐かしいアイテムが残っている駅です。

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展望タワーの31階の展望台から、関門海峡が見渡せました。
当時は時々風雪が横向きに吹いており、いかにも真冬らしい気候でした。
日本海に面した北九州でも、雪が降るのは珍しいそうです。

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この後、小倉のホテルに帰ったのですが、深夜に猛烈な勢いで雪が降り、
2~3時間で10cm前後積もっていました。3時間前に小倉駅から歩いた時は全く降っていなかったので驚きました。

翌日の朝9時の飛行機で帰る予定だったので、これはまずいと思いました。幸いすぐに雪はやみ、それ以上の積雪はありませんでした。翌朝は予定よりも早い時間のシャトルバスに乗りましたが、バスも飛行機もやや遅延したものの、無事に運行されていて、一安心でした。

北陸や山陰地方では記録的な大雪で、交通機関が完全にマヒしている地域もあるようです。
北九州ではつい半年前に、連日性の記録的豪雨があったのが記憶に新しいですが、最近の天気災害は想定外レベルなので、本当に油断できないです。


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by shinyokohama-fc | 2018-02-13 18:15

院内にて発売開始

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当クリニックにて、2月8日より先行発売を開始しました。

たぶん、この病気に関わっている人々にしか、関心が持たれない内容ですので、「認知症は...」に比べると一般受けはしないと思っています。
すでにこの書籍を読んでいただいた、実地医家、臨床医の方々には概ね好評のようです(たぶんお世辞かもしれませんが)。


このタイトルを見て、この病気に関わる多くの人々は驚くことでしょう。自分でもえらいタイトルをつけてしまったと感じています。

現行されている主流の治療スタイル「薬が足りないのは良くない!とにかくできるだけ薬を増やせ!たくさん使え!」に逆らうのですから。
小生は幼少の頃から、皆と反対方向へ歩いていくような子供でしたので、あれから45年たっても、本質は何も変わらないのかもしれません。

小生の生まれもっての性分といいますか、どうも、物事を斜に構えてみるというか、常に物事を疑ってみる、人の言う事は素直に聞けないという所があるようです。
正直に言いますと、すでに世に出ている、神経内科の分野における医療の通説や言説というのは、やや疑わしいものが多いようだと感じています。

本著にも書きましたが、
一番の問題は、
多様性がまったく考慮されていない。
治療薬の使い方が1つのガイドライン(ルール?)にどの症例にも適用されてしまっているという事です。
同じ病気だから、同じ病理だから、40歳でも90歳でも同じ薬を同じ量で使う??? 普通に考えれば、そんなバカな事があるわけないですね。
しかし、そんなバカな事が行われているのが現実なのです。

まあ、この本の内容は、問題提起にすぎません。実際は
それぞれの患者さんは置かれている状況も、病気の状態も大きく異なりますので、すべての患者さんが減薬すれば解決する。という事はありえません。

この本のタイトルに当てはまるケースの大前提として、

「すでに、病状に見合わないような過剰な多剤併用処方がなされて、副作用(多くは非運動症状の悪化)で、生活の質(QOL)が落ちている状態」
である事が条件です。

小生が定期で診ていて、初診から数か月以上経過している方々では、ほとんどこの条件には当てはまりませんので、実際は
あえて減薬を試みるというケースはほとんどありません。
これまでの処方薬が効果がない、もしくは副作用で忍容性がない、場合に一部中止、別の薬剤に変更。というパターンはあります。

実は、最近40代、50代という若年発症の、ウェアリング・オフが顕著なタイプのこの病気の患者さんにおいて、減薬(ドパミン・アゴニストだけを減量)してみるとウェアリングオフが悪化して、大きく後悔したパターンというのがありました。 つまり減薬の失敗例です。
これについては、次回のブログで詳細をお伝えすることにします。



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by shinyokohama-fc | 2018-02-08 10:31

「パーキンソン病 少しずつ減薬すれば良くなる!」

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ついに、小生が初めて著作した書籍が出版されることになりました。
書き始めてから出版するまで1年半くらいかかり、かなり苦労しましたが、
ブックマン社、編集長、対談でご協力いただいた、長尾和宏先生には感謝しかありません。厚く御礼したいと思います。

タイトルは「パーキンソン病は少しずつ減薬すれば良くなる!」ですが、
これはあくまで逆説的で、アイロニックな表現のつもりです。
とにかくパーキンソン病の患者は薬を過剰・オーバーに服用している事が多いので、適正な用量と種類に修正すれば、副作用が消えて(薬によって悪化していた非運動症状や運動症状が軽減して)落ち着くという意味です。

それゆえ、もし薬がその人にとって適正用量であれば、減薬すれば見た目の運動症状は当然悪くなると推定されます。ただし薬による治療は、根本的治療ではなくて姑息的(卑怯という意味ではない)な治療なので、たとえ減薬して症状が強くなったとしても病気そのものが悪化するわけではありません

本当は「パーキンソン病は薬が多すぎる!増やせば悪くなる!」というタイトルにするつもりでしたが、ネガティブな印象を与えるとの事で、逆の内容のタイトルになってしまいました。

昨今の社会状況をみていると、有名人が少し異質な事を言ったり、ブログで書いたりしただけで、反対派の人々が過剰反応して袋叩きに合うような、異論を許容できる精神的余裕がない状況ですので、
おそらく書籍の内容を十分精読せずに、タイトルだけを切り取って、短絡的に過剰反応してクレームや嫌事を言ったり、ネットに書き込んだりする人々が一定数発生する事が推定されますが、そこはスルーしたいと思います。

昨日、日比谷コンベンションホールで、「抗認知症薬適量処方の会」の講演会があり、小生も講演しました。60分の予定でしたが、話しているうちに時間を超過してしまい、75分くらいになってしまいました。

主な内容は、パーキンソン病の治療薬も、抗認知症薬と同様に少量投与のほうが合う症例が多いのではないか?特に欧米人に比べて薬剤過敏性が強く、耐性が弱い日本人にとっては。そのため治療薬の過剰処方、多剤併用によって、薬剤せん妄とか精神症状が悪化してしまい、まるで「レビー小体型認知症」みたいになってしまっている患者が増えているのではないか?という提言でした。

特に高齢者の多剤併用(ポリファーマシー)、服用しきれず残薬多数、薬剤カスケードなどが、老年医学会などを中心に、深刻な社会問題として近年マスコミにも多く取り上げられている昨今の時勢の流れがありますが、

パーキンソン病の治療薬だけは、なぜか無制限に併用がOKなのか?

神経系薬剤の副作用リスクが高い75歳以上患者さんも増えているにもかかわらず、特に年齢による用量制限もないのはなぜなのか?

パーキンソン病治療薬だけで5~7種類という、安全性も有効性もまったく証明されていない過剰なポリファーマシーが行われているのはなぜなのか?

薬で病気の進行を抑えられない、進行性の病気に対して医療費(薬剤費)のバランスを考慮した処方がなされていないのはなぜなのか?

つまり、今回の書籍の内容はリトマス紙だと考えています。

一人の偏った価値観の開業医の個人的な意見にすぎないとしてスルーされてしまうのか?

あるいは、今回の小生の提言を契機に病気に関わっている医療者や患者が問題意識をもって議論のタネになるのか?

趨勢を見守りたいと思います。

最後に余談ですが、薬をテーマにした書籍にもかかわらず、薬品名や商品名の誤植が多くみられました。私としては3回読み直したつもりでしたが...
非常に残念です。
これについては深く反省したいと思います。


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by shinyokohama-fc | 2018-01-29 11:33

久しぶりの大雪





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昨日、珍しく久しぶりに横浜で大雪が降りました。
関東は豪雪の日本海側とは対照的に12月からずっと8~9割くらい快晴で乾燥した冬らしい日が続いていたので非常に驚きました。
前日から気象庁が大雪情報をTVなどのマスメディアで喧伝した場合、たいがい予報は外れて、雨かミゾレのパターンがほとんどですが、今回は珍しく予報が当たったようです。

写真は1月23日、火曜日の当クリニックのビルから新幹線の新横浜駅を望む風景です。
小生の乗用車(一番手前)も20cm近く積雪していたので、朝早くから除雪作業をしました。ガラスの部分が積雪したまま凍結してしまうと大変だからです。交通事故のリスクが高いので、昨日は車で帰らずに置いて帰りました。

関東では大雪が連日になることはなくて、南岸低気圧が過ぎ去れば、翌日はたいがい晴れるので、次の日には雪が溶け始めます。
一方で真冬の日本海側の東北や北陸、山陰地方では、ほとんど晴れる事もなく、こういう雪が連日続くのが普通です。3m以上の積雪する地域もあります。
そう考えると、数年に1度くらいしかないこの程度の雪で大騒ぎしているというのもどうなのか??と感じる事もあります。

ともあれ、こういう天気になれば首都圏の人々の足は途絶えます。
雪国と違って、交通機関がマヒするからです。
事実、昨日もほとんどの外来予約患者の方々がキャンセルになりました。

本音を言えば、この数年に1度の大雪が小生の講演がある28日(日曜日)でなくて良かったと思っています。

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by shinyokohama-fc | 2018-01-23 08:55

フェイクDLB!薬で悪化してしまうパーキンソン病の非運動症状(2)幻覚・妄想・精神錯乱


「パーキンソン病(PD)という診断であったはずが、薬が増やされて、種類が増えることによって、いつのまにか「レビー小体型認知症(DLB)」
に診断が変更されていないでしょうか?
ここ最近、そのようなおかしな事例が増えているようです。


近年実施された、国内での大規模臨床試験では、パーキンソン病(PD)の精神症状は20.7%。つまり5人に1人とされています。小生が外来で診ている印象よりかなり少ないようですが、おそらく精神症状(幻覚・妄想など)が出たら、レビー小体型認知症(DLB)に診断変更されてしまっているのでしょう。まったくもっておかしな話です。

このような「薬剤誘発性のフェイクDLB」を小生の外来ではよくみかけます
フェイクDLBの実態はほぼ全例が見事に「薬剤せん妄」です
原因になる薬剤を「排除」していけば、当然元のパーキンソン病に戻ります

本来、認知症ではないのに、認知症にされてしまう。
本来、認知症ではないのに、なぜか認知症の治療薬を飲まされている
こんなおかしなことが普通に行われています。

1年前に有名大学病院から転医してきた、患者さん本人が小生にこう言いました。発症5~6年でパーキンソン病ヤール2度、69歳の男性です。
「なぜ自分は認知症でないのに、認知症の薬を飲まなければならないのか?」

その方は、大学病院の外来からメマンチン20mgが処方されていました。
しかもレボドパ配合剤も1日500mgも服用していました。
奥様から見た印象では以前とはまったく別人のようで、ぼーっとしていて、心ここにあらずで、何もしようとしない」
レボドパ高用量とメマンチンを併用してたら、そりゃーそうなるでしょう。
典型的な「薬剤性せん妄」です。

「ようやく会話が通じるようになって、以前の元気な状態に戻った」
今では遠くから電車を乗り継いで1人で受診できる人です。
レボドパを減薬してからパーキンソン病の手のふるえはやや目立つようになりましたが、減薬しても歩行は普通の速さで歩けるようです。

この方は1年前にプラミペキソール(ドパミン・アゴニスト)の徐放剤を処方、増量されてからおかしくなったようです。

もともと、レム睡眠行動異常(RBD)があったのですが、この薬が増量されてから、夜間にひどい幻覚と被害妄想になり、精神錯乱状態に至ったそうです。そこで「レビー小体型認知症(DLB)」だと診断されていたようです。
ドパミン・アゴニストを服用して幻覚・妄想が出れば全員DLB???なのでしょうか?小生にはまったくわけがわかりません。

さらにタチが悪いことに、薬でフェイクDLBと診断されてしまうと、有無を言わさず、抗認知症薬(アルツハイマーの治療薬?)が追加されてしまう。
多くの場合は、ドネぺジルですが、この方の場合メマンチンでした

本来アルツハイマーでもなんでもない、薬剤せん妄ケースに、こういう薬を追加(アドオン)するとどうなるでしょうか?
薬剤せん妄が悪化して混迷状態になるのは自明の理です。

フェイクDLB、つまり幻覚・妄想・精神錯乱が誘発されやすい薬は、前々回のブログで、睡眠障害を悪化させる薬のラインナップと全く同じです。

1)ドパミン・アゴニスト(増量後)
プラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチンなど
2)レボドパ配合剤(高用量で)
レボドパ/カルビドパ・ベンセラシド
3)睡眠導入剤
特にゾルピデムベンゾジアゼピン系(エチゾラム、トリアゾラムなど)
4)ゾニサミド
5)セレギリン
6)抗コリン剤(トリへキシフェニジル)


付け加えると4)5)は単独使用ではそれほど精神症状を誘発しません。1)ドパミン・アゴニストか2)レボドパとの併用で誘発します。
ドパミン・アゴニストとセレギリンを併用しても、幻覚・妄想は誘発されず
むしろアパシー(無気力)が良くなったケースもあります。

そもそも「レビー小体型認知症(DLB)」っていったい何なのでしょうか?
脳内のレビー小体が証明されたわけでもないのに、なぜそう言えるのか?

診断基準が臨床症状の組み合わせ的で医者や患者の思い込み、主観的要素に左右される操作的診断手法である以上、薬剤せん妄を除外してDLB と診断することは至難の技でしょう。

多剤併用(ポリファーマシー)と薬剤カスケードの極致のような症例が多いという現実を考えますと、専門医のご都合によって、多くのパーキンソン病(PD)は全員DLBにされてしまっているのでしょうね。

教科書にはパーキンソン病が発症して15年以上たって、幻覚・妄想など精神症状が現れてくると書いてあります
しかし、それは治療薬の過剰投与による「薬剤性せん妄」の要素が除外されているわけではない。

ある医学雑誌によると現在のように治療薬が多種多様に使われる以前は、幻覚・妄想のケースはほとんどなかったそうです。
私も20年前(レボドパ配合剤とアマンタジンしか治療薬がなかった時代)にはほとんど見なかったという印象です。

薬剤せん妄の多くは見逃されています。
たった数分間しか患者を見ない外来医には到底わかりません
患者の周りの人間が気が付いて、一刻も早くせん妄を起こしている薬をやめさせるしか方法はないと思います。

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by shinyokohama-fc | 2018-01-22 16:51

パーキンソン病の多様性 (病理的)

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1月28日の、小生の講演の主題の1つであるパーキンソン病の多様性について、講演スライドで使用する図表の一部をお見せします。
インスタグラムなど気の利いたことをやっていないため、非常に見にくい写真での貼り付けであることをご容赦ください。

パーキンソン病の一般向けの書籍には以下のように書いてあります。
「パーキンソン病は年単位で少しずつ進行しますが、現在は薬で進行を抑えることができるようになっています治療によってほとんどの患者さんは2~3度までで抑えられており、4~5度まで進行する事はまれでしょう。」
「現在では治療の進歩によって健康な人と寿命はほとんど変わりません。」
「認知機能が低下してきても、抗認知症薬(コリンエステラーゼ阻害薬)の使用で改善が見込めます。(ただしパーキンソン病に対して保険が認められている薬ではないので、使用の際には医師との十分な相談が必要です。」

おそらくこれらの本の著者は相当偏った患者しか診ていないのではないかと思われます。偉い先生方なので認知機能が低下している患者とか歩けない患者は診ていただけないという雰囲気を作っているのではないかと思います。
20年前ならいざ知らず、今こういう非現実的なことを堂々と書いているのは、非常におかしいのではないかと思います。
この病気の発症年齢が70歳を超えている現状では、ここに書いてあるような予後の患者さんは私のイメージでは50%程度ではないでしょうか?
抗認知症薬が効く?ような患者さんについては20%もいない。そもそも認知症の見た目の症状を1~2年程度遅らせる薬をわざわざ追加する意味があるのか?と思う症例のほうが多いです。
抗認知症薬を追加する前に、せん妄(認知症に誤解される状態)を引き起こしている薬の整理が必要ではないかと思います。

小生は、クリニックの開業医ですので、40歳代から90歳代、ヤール0.5度からヤール5度までのすべての段階の症例を診ています。
また認知症が全くない、軽度~重度の認知機能低下まで診ています。90代でも運動症状だけで認知機能低下していない方もいれば、60代でも著しく認知機能が低下している方もいます。中には運動症状の治療薬が過剰に服薬しすぎて、薬剤性の認知機能低下(せん妄?)をきたしていた方も少なくないようです。

50歳から発症して24年経過しても、認知機能は低下していない、歩行器を使って歩いているパーキンソン病(PD)の方もいますし、
同じ74歳でも、発症して3~4年にもかかわらず、認知機能が低下が著しく、住所や時計がまともに描けない認知症を伴うパーキンソン病(PDD)の方もいます。

つまり、パーキンソン病には最初から良性経過と悪性経過があるという事ですが、残念ながら、そういう重症度を表現する検査は存在しません
シヌクレイン(レビー小体)&アミロイド&タウイメージングPETでもあればと思いますが、もし実現できたとしても、検査が高額すぎて、このご時世で保険適用にされる事はまずありえないでしょう

つまり、パーキンソン病の多様性、重症度(悪性度)というのを検査で客観的に評価する方法はなく、脳内で起こっている事は全くのブラックボックス(謎)の世界です。

そこで小生の患者を診てきたイメージというか妄想なのですが、脳内の神経伝達物質がどういう状態になっているかを示したのが、上記の棒グラフです。同じく重症度を現すための脳のマッピングの図も作成しましたが、それは1月の講演会でお見せしようと思います。

棒グラフを見ていただければ、一番右端のグラフのような状態(PDD-2)の神経伝達物質(NMT)が枯渇状態では、外から薬でドパミンを増やせば、アセチルコリンが枯渇、アセチルコリンを増やせば、ドパミンが枯渇という状況です。そもそもこの状況では、正常な神経細胞が少なすぎて、薬物が作用する余地がないというのが現実でしょう。

つまり薬物療法の限界という状態です。パーキンソン病のうち10~20%程度はこのような悪性(重症)タイプの方がおられます。

PDD-1の状態ではアセチルコリンを増やす薬(コリンエステラーゼ阻害薬)やドパミンを増やす薬(レボドパなどドパミン作動薬)が多少効果がある場合もありますが、これとて過剰投与(例えば、ドネぺジル10mgとかリバスチグミン18mg)すれば、ドパミンが容易に欠乏~枯渇状態になりえます。

病気の重症度に応じて、薬をいかに使うべきかを使い分けるべきで、場合によっては薬を使うべきではないという状況も出てきます。
それは、がんの患者さんすべてに抗がん剤を打つべきではないというのとほぼ同じ意味だと思います。

パーキンソン病が70歳以上の高齢発症で重症タイプの場合は、むしろ薬はできるだけ少ない量で使うべきなのです。それが正しい緩和ケアではないでしょうか?


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by shinyokohama-fc | 2017-12-28 18:49

パーキンソン病の治療薬で認知症にされていませんか?(講演会)

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来年の1月28日
に「抗認知症薬の適量処方を実現する会」の主催で、小生が講演を行う予定です。
場所は東京都千代田区の日比谷公園にある「日比谷コンベンションホール」です。
講演する内容は、この3年で小生が診てきた、パーキンソン病の症例を通じて学んだことです。

1) 治療薬(10種類もある)の不適切な使用の問題
2) 神経系薬剤の多剤併用による深刻な有害事象
3) 病気の多様性、良性~悪性まである
4) 病気の多様性、発症年齢、罹病年数による違い
5) 治療薬による「薬剤性せん妄」が「認知症」と診断???
6) 運動症状の治療薬で非運動症状が悪化する???

パーキンソン病治療薬の過剰処方・投薬は目に余るほどです。
高齢者(75歳以上)で発症したパーキンソン病に対しては、多くの症例は価格が安く昔からある、
アマンタジン(シンメトレル🄬)とレボドパ配合薬(マドパー🄬、メネシット🄬、ネオドパゾール🄬など)の少量処方だけで足りると考えています。

若年発症(40~60歳)と高齢発症(70~90歳)は、実はまったく病態が違うのですが、そういう多様性に対応した治療ガイドラインがまったく示されていない。

多くの患者さんが、その多様性・個別差を度外視した見当違いの処方により、ひどい薬害に遭っている。

そういう薬害をもたらせている薬が減薬されることも、中止されることもないために、患者さん本人も同居家族も薬害による多大なストレスを抱えながら日常生活を過ごしているという、理不尽極まりない現実があります。

レボドパ配合薬とアマンタジン、抗コリン剤以外の治療薬は総じて薬価が高額ですが、そういう高額な治療薬が必要以上に処方される事によって「薬剤性せん妄」幻覚、精神錯乱、意識障害などが生まれています。

高額な薬剤費を支払っているにもかかわらず、その代償として、仕事ができなくなる、歩けなくなる、精神不穏状態で家族に迷惑をかける、など様々な有害事象が起こり、もはや社会的問題ではないか?と思います。

パーキンソン病の治療薬で引き起こされた「薬剤性せん妄」が、幻覚、認知の変動、操作的な診断によって「レビー小体型認知症」と診断されて、抗認知症薬が不適切に処方されている。という事例が多くみられました。

「高額な薬剤費が支払われて、患者は深刻な健康被害」
こんな非生産的で理不尽なことが、見過ごされています。

高齢者が多くの薬を服用する、ポリファーマシー、薬剤カスケードをようやく厚労省が問題にし始めたようです。今ごろ?遅きに失した感があります。

このポリファーマシー、薬剤カスケードの象徴というべきなのが、この「パーキンソン病」という病気ではないでしょうか?
「薬を増やす(頼る)前に自分で身体を動かそう」
それが私からのメッセージです。
興味のある方は、ぜひ講演にお越しください。
専門医が誰も言わないことを、あえてお話ししたいと思っています。
小生はパーキンソン病の場合、薬は最低限は必要だと考えていますが、忍容性を度外視した行き過ぎ過剰処方は看過できぬ深刻な問題と訴えたいです。

最後に、今回の講演会の座長を務めていただく、「抗認知症薬の適量処方を実現する会」の活動代表理事、長尾和宏先生(長尾クリニック院長)による「認知症治療研究会会誌」の52ページから、以下一部転載します。

抗認知症薬は使っても、メマリーを含めて最大2剤であるが、パーキンソン病治療薬には10系統あり、数種類の多剤投与、しかも最大量での投与が珍しくない。介護施設にもそうした患者さんが入所している。多剤投与や適量処方という命題は今後はパーキンソン病治療薬にも向けられるであろう。

高齢者の多剤投与対策が急がれるなか、例えば抗パーキンソン病薬の多剤投与は「神経内科の専門性」というベールに覆われ、専門外にはアンタッチャブルな世界であった。

しかしそのまま在宅医療に紹介されてくる時代である。当然、副作用などのマイナス面が浮上するだろう。よく「医療界の常識は世間の非常識」と言われる。しかし、増量規定や多剤投与という洗脳から医療者は目覚める時ではないだろうか。


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by shinyokohama-fc | 2017-12-25 09:01
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新横浜フォレストクリニック(横浜市港北区・新横浜駅)の院長が日々綴る様々な情報を発信するブログです


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