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かぜ薬の危険性

薬物依存の原因薬物は、報告されている範囲内では総合感冒薬などの市販薬が約40%を占めるらしいです。大麻や覚醒剤よりもはるかに多いのが近年の特徴だそうです。 

総合感冒薬のうち、特に問題になるのは「せき止め(鎮咳薬)」と「鼻水止め(抗ヒスタミン薬)」ともに中枢神経(脳)に作用する薬です

「せき止め(鎮咳薬)」
麻薬性と非麻薬性のものがありますが、前者としてよく使われていて、市販薬にもよく入っているのがコデインです。脳に直接作用して強制的に咳を止める薬です。

コデインには呼吸抑制、過剰鎮静などの副作用が有名で、英国・米国では12歳以下の使用は禁忌になっていますが、高齢者と脳神経系疾患(喀痰の排泄する力が弱まる病気、PD,PSP,DLBなど)にも禁忌にしたほうがいいと思える薬です。

かぜやインフルエンザなどのウイルス感染症だけではなく、百日咳やマイコプラズマなどの細菌感染症に対して咳を止めると、体内からウイルスや細菌の排泄を止めてしまうので、感染症からの回復が遅れてしまいます。

また若年~青年期ではコデインの大量服用によって依存性に至ってしまう人も少なくないようです。依存から離脱できず、中年期になっても薬局からせき止めを大量購入してしまう人もいるようです。

「鼻水止め(抗ヒスタミン薬)」
この薬はせき止め以上に汎用されています。特に第一世代の抗ヒスタミン薬は、ヒスタミン(神経伝達物質の1つ)を妨害する作用が強いので、若年者で短期間だけ使うにはいい薬ですが、高齢者、特に脳神経変性疾患などには原則的に使うべきではない薬でしょう。

第二世代の抗ヒスタミン薬は脳神経への影響はかなり軽減されているとはいえ、やはりこれを服用すると眠くなったりする人は少なくないです。
高齢者、脳神経変性疾患(アルツハイマー、パーキンソン)には使用を控えたほうがいいでしょう。

臨床現場では特にプロメタジン(かぜ薬としてよく処方されていたPLに配合されている抗ヒスタミン薬は、鎮静作用が強く制吐作用、ふるえを軽減する作用などもあるため、依存性が強いようです。かぜをひいたとウソを言って、毎月のようにPLをもらいに来る人がいるようです。

私は、高齢者の神経変性疾患を数多く診る仕事ですので、当然ながら、コデインもプロメタジンも処方しません。

また薬物治療の最新エビデンスによると、コデインも抗ヒスタミン薬も有効性はいずれも否定的な見解です。
そういう薬でわざわざ脳神経副作用や依存のリスクを負うというのは、あまりにもデメリットが大きすぎるような気がします。
特に、レビーやパーキンソン長期罹患者には危険、禁忌にすべき薬です。


新横浜フォレストクリニック
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by shinyokohama-fc | 2019-12-20 11:20 | 治療
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