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高齢者 高リスク薬多用

朝日新聞、昨日(12月8日)一面記事
「高齢者 高リスク薬多用 睡眠・抗不安 処方80代ピーク」
「転倒・認知障害の恐れ」
「複数の不調で受診・重複も」

記事によると、ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬の処方数は、75歳以上の特に女性で年齢とともに増加、80~89歳がピーク、90歳以上でもかなりの処方数のようです。

これまでも私が当ブログ、地域の講演会、認知症なんでもTVなどで何度もしつこく取り上げているテーマです。

筋弛緩作用による転倒~外傷、呼吸状態の悪化、健忘症~認知機能の低下など、すべて直接的な健康被害に通じる有害事象が多いのが、このベンゾジアゼピン系です。
そういう薬が高齢者にこれだけ処方されているというのは驚かされます。

おそらく、ベンゾジアゼピン系の服用者が今よりもっと少なければ、医療費コストが大幅に減るのは間違いないでしょう。特に高齢者の救急外来の受診者数は大幅に減るのは間違いないでしょう。

一度、ベンゾジアゼピン系を服用開始して、半年以上服用してしまうと強い依存性のため、離脱するのがかなり困難になります。

私はベンゾジアゼピン系以外の薬に変更して上手くいったケースもありますが、上手くいかないケースもあります。

特に依存の強いのは、超短時間タイプ・短時間タイプの薬です。
効果が発現する時間が短く、短時間で効果が切れるタイプです。
夜間せん妄、異常行動、健忘症なども多いという報告があります。
長時間タイプに比べて、持ち越しが少なくて安全だと喧伝されてきたのですが、中途覚醒が多くて、異常行動、幻覚、転倒事故などがかなり多いという報告があります。
特にアルツハイマー、レビー、パーキンソンなどの神経変性疾患の方にはかなり高率で上記のイベントが現れる可能性が高いので、できればベンゾジアゼピン系は避けたほうがいいでしょう。

<超短時間タイプ>
トリアゾラム(ハルシオン)半減期1.2時間
ゾルピデム(マイスリー)半減期1~2時間
ゾピクロン(アモバン)半減期0.8時間
エスゾピクロン(ルネスタ)半減期0.8~1.5時間
<短時間タイプ>
エチゾラム(デパス)半減期3.3時間
ブロチゾラム(レンドルミン)半減期1.5時間

現在行われている30日の日数制限だけでは抑止にはつながらないので、精神疾患・精神科以外は高齢者への新規処方を原則禁止する。精神科以外の診療科から処方する場合は、理由を明記するという保険診療上のルールを作るべきだと思います。

レビーやパーキンソンと診断された高齢者はさらに、ドーパミンアゴニストなど神経系に作用する薬が何種類も併用されていることが多く、それがせん妄(一過性の意識レベル低下による異常な言動(幻覚・妄想など)・行動)を誘発していると推定されます。
神経系作用薬のポリファーマシーは特に有害性が大きいので要注意です


新横浜フォレストクリニック
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by shinyokohama-fc | 2019-12-09 12:23 | 治療
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新横浜フォレストクリニック(横浜市港北区・新横浜駅)の院長が日々綴る様々な情報を発信するブログです


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