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投薬行為に対する倫理観

「鹿児島認知症ブログ」の「投薬は侵襲行為という自覚」という記事を興味深く拝読しました。
これを自覚している臨床医、患者が果たしてどのくらいいるでしょうか?

投薬をすることで診療をした気になっていませんか?
投薬をされることで診療をされた気になっていませんか?


開業当初、私の投薬が平均よりあまりにも少ないので、調剤薬局の薬剤師から不信がられた事がありました。
この薬剤師は「ポリファーマシー」の処方箋が当たり前の常識だと思い込んでいたのかもしれません。

国民皆保険制度による恩恵?によって、世界的にもここまでひどいポリファーマシーが野放しにされている国は他にないのではないかと思います。

「医療行為(投薬)は生体内に何らかの変化をもたらす侵襲行為である」
「人体という複雑系を扱うことへの怖れを忘れると薬によって患者を傷つけてしまう」


このことを多くの高齢者の患者さん(症例)が嫌というほど教えてくれます。
特に、高齢者女性の増加に比例して増えている、遅発性(Late on set)注意欠陥多動性障害(ADHD)やレビー小体型(DLB)などがその代表格でしょう。

つい最近も、レビー小体型(DLB)と推定される女性に、シロスタゾールという薬、50~100mg/日を処方し服用してから、ひどい頻脈 (110~120/分)になってしまったケースが2~3例ありました。

特に高齢者女性の場合は「投薬しなかったほうが良かったのではないか?」と思わせるケースが多いように思います。

おそらく昔は「老化現象」として素直に受け入れていたように思います。
近年は「老化現象」などと正直に言うと、反発される事も少なくない。
いつから、ここまで「老化現象」に対して不寛容になったのでしょうか??

高齢者の投薬には、メリットとデメリットを勘案すべきであり、特に慎重にあるべきではないでしょうか?

たとえば、85歳以上の患者にパーキンソン病の治療薬+睡眠導入薬など神経系に作用する薬を何種類も処方・服用するという事が正しいのか?
これが倫理的な医療行為と言えるのか?
自分の頭でもう一度よく考えてみたほうがいいでしょう。


新横浜フォレストクリニック
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by shinyokohama-fc | 2019-07-23 17:13 | 治療
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