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コリンエステラーゼ阻害薬+抗コリン作用薬の悪影響

前々回の「クロルプロマジン」のテーマでもいろいろ書きましたが、抗精神病薬というのは本来「統合失調症」の治療薬です。

しかし、日本の臨床現場では認知症の行動心理症状に使うことが当たり前であり、日常茶飯事になっているようです。

いちばん最悪なパターンが認知症治療薬であるコリンエステラーゼ阻害薬によって興奮させられた患者への抗精神病薬の追加投与です。

かつては抗精神病薬は、精神科専門医だけが処方が許された薬だったはずです。しかし、昨今は認知症で興奮する患者が増えたから、精神科専門でない、たとえば最近では施設の嘱託医師などが抗精神病薬を処方しているケースが多いようです。

しかしその危険性・有害性については特に検証されることなく、行動心理症状さえ抑えればいいのだという大義名分で正当化されている気がします。

抗精神病薬の危険性・有害性については、このブログで何度も書いてきました。元祖・抗精神病薬であるクロルプロマジンの少量処方ですら長期継続では深刻な問題をおこすこともブログに書いたわけです。

抗精神病薬の問題はまず第一にドパミン阻害作用による薬剤性錐体外路症状(EPS)ですが、実は抗コリン作用(アセチルコリン抑制作用)も短期的・長期的に問題になりえます。
わかりやすく言うと、ずっと服用し続けると動けなくなって、ぼけてしまう
薬です。

韓国で、認知症患者群においてコリンエステラーゼ阻害薬開始後の抗コリン作用性負荷と治療変容の関連を評価した研究が行われ、それが発表されたようです。
韓国の嶺南大学のYoumg-Mi Ah氏らが実施した臨床調査では、2003~2011年にコリンエステラーゼ阻害薬を開始した高齢者2万5000人を後ろ向きに分析し、抗コリン作用性高負荷がどれほど影響するかを検討されました。

抗コリン作用性負荷は6.0%に認められ、治療変容、せん妄、死亡はいずれも対照群よりも有意に増加していたという結果でした。
すでにコリンエステラーゼ阻害薬を服用している認知症患者に抗コリン作用性の薬剤を追加するのは良くないという事が証明されたと思います。


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by shinyokohama-fc | 2018-12-28 12:39 | 治療
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