パーキンソン病治療薬の不適正使用

はたして、これが治療と言えるのか.....
あるパーキンソン病治療薬の「重篤な副作用の一覧」に紹介されていた症例を以下に提示します。
これを見て呆然とさせられるのは、おそらく私だけではないでしょう。

70歳代女性 パーキンソン病

1) レボドパ・カルビドパ・エンタカポン配合剤
2) レボドパ・ベンセラジド配合剤
3) ロピニロール (ドパミン・アゴニスト)
4) プラミペキソール (ドパミン・アゴニスト)
5) ゾ二サミド (抗てんかん剤)
6) アマンタジン(ドパミン遊離剤)
7) イストラデフィリン(アデノシン受容体拮抗剤)
8) アポモルヒネ (ドパミン・アゴニスト注射剤)
9) ラサジリン(MAO阻害剤)
以上が、パーキンソン病治療薬。さらにそれに加えて

10) デュロキセチン
11) ゾルピデム
12) ラメルテオン
13) ブロチゾラム

これ以外にも3種類の処方薬があるようですが、とりあえず、神経系に作用する薬だけを列挙しました。
すでに15種類もの神経系作用薬が併用されている事例に、さらに新しい薬を試すとは信じがたい暴挙と言えるでしょう。
薬の用量はまったく不明ですが、3)+4)+5)+6)+11)を併用して幻覚が出ないほうがおかしいです。幻覚を起こす処方と言っても過言ではないです。

こういう処方を見て痛感するのは、リスクとべネフィットをまったく何も評価せず、考えずに、ただ薬をボンボン放り込んでるだけの処方....
これが医療と言えるのか...
こんな乱暴極まりない薬の使い方が、保険医療として許されてるのか....
なぜこのような暴挙を取り締まるルールが存在していないのか....

近年、特に問題にされている、多剤併用(ポリファーマシー)の中でも、特にパーキンソン病患者に対する、神経系薬剤の常軌を逸した種類の薬の併用というのは最も罪深いものではないかと思います。
15~16種類の神経作用薬の同時併用。こんな処方、当然ながら科学的根拠(エビデンス)などあるわけないです。医療とは言えないです。

小生の拙著にもいくつかそういう多剤併用大量処方を修正した事例を掲載していますが、なぜこのようなことがなくならないのか...と嘆息するしかありません。

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by shinyokohama-fc | 2018-10-11 18:08 | 治療
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新横浜フォレストクリニック(横浜市港北区・新横浜駅)の院長が日々綴る様々な情報を発信するブログです


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