DAT-SCANという検査の意義

今から20年前に一緒に仕事をしていた、神経内科医から興味深い内容のメールをもらいました。以下のとおりです。

お元気ですか?DAT-SCANですが、パーキンソン病治療薬を服用して、幻覚と不穏など精神症状で困っていた高齢者2名について検査実施しましたが、SBRが2~3程度、ある程度線条体のドパミン集積があるのを確認してから、治療薬を中止しましたが、精神症状がなくなって落ち着きました。動作歩行レベルの悪化はないようです。

DAT-SCANはパーキンソン病の診断よりも、治療薬を中止する目安に使うのがいいかもしれません。
ちなみに、パーキンソン治療薬による(中略)でSBR1~1.5くらいになったら、パーキンソン病治療薬依存症・(中略)になっているので、中止すると禁断症状が出るみたいです。

以上がメール文引用・一部編集

拙著121ページでも、診断補助のための検査として、DAT-SCAN(ドパミン・トランスポーター・シンチグラフィー)について簡潔に書いています。

中脳黒質のドパミンニューロンが、線条体の神経終末に投射しているので、この神経終末に存在するドパミントランスポーターに高い親和性を示す、イオフルパンの集積で評価される検査です。イオフルパンの取り込み低下している場合は、同部位のドパミン神経終末の変性によるドパミン欠乏が示唆されるという事です。

イオフルパンの取り込み程度を数値的・客観的にするための、通常、臨床現場で使用されている定量的指標(上記のSBR)は形態的変化(たとえば脳萎縮)や撮像方法による影響を受けるようですので、この数値のみで診断するのは避けるべきだという意見があります。

レボドパ、ドパミンアゴニストなどの薬物治療が実施される、今から30年以上前は、パーキンソン病において、幻覚などの精神症状はほとんど出現していなかったと言われています。

現在は高齢者に対しても遠慮なく、多種大量のドパミン作動薬が処方されているのが普通のようです。その多くは過剰処方であり、幻覚、妄想、時には行動化を起こし不穏状態になります。

上記のメール文のように、「パーキンソン病」だと診断されれば、80歳であろうが90歳であろうが、ガイドラインどおり?ドパミン作動薬を増量されてしまい、精神症状が出てしまっている症例がいったいどれだけあるのか?一度大規模臨床試験で検証する必要があるのではないでしょうか?


新横浜フォレストクリニック
内科・漢方内科・老年内科・神経内科

JR・新幹線・横浜市営地下鉄 
新横浜駅 篠原口より徒歩1分






[PR]

by shinyokohama-fc | 2018-08-04 12:13 | 医療
line

新横浜フォレストクリニック(横浜市港北区・新横浜駅)の院長が日々綴る様々な情報を発信するブログです


by shinyokohama-fc
line