レボドパ配合剤の後発品

近年、医薬品・ジェネリック(後発品)への推進がすすめられています。

少しでも薬剤費を抑制したいという国策でしょうが、やはり臨床試験で安全性・有効性が確認されていないと心配になります。

知人の臨床医からは、先発品に比べて明らかに安全性も有効性も落ちる事が少なくない、全く効果がない?という情報をよく聞きます。シロスタゾールをよく処方している先生からそのようなお話を聞きました。

薬剤費を抑制したいのであれば、一つでも多く減薬することが最優先ではないでしょうか?日本は、1人あたりの処方薬の数があまりにも多すぎます。

つい最近も後発品を扱う某製薬メーカーが、降圧剤に発がん性のある物質が混入していた事が発覚して大きな問題になりました。

実地臨床に携わっている臨床医であれば、誰でも経験があると思いますが、薬局の誘導で後発品に変更されて、効果が著しく減弱した?あるいは効果が感じられなくなったというエピソードは多くみられます。また先発品では、経験したことのないような副作用が出現したりします。

製薬メーカーすら、後発品の安全性・有効性を正しく把握していないものと思われます。ただし、先発品メーカーが同じ薬を後発品として販売するケースだけは例外です。

レボドパ配合剤でも、私が定期で診ている、20名くらいの複数の症例で、先発品と後発品の有効性の差異が確認されました。
10名ほど先発品から後発品に変更されると、これまで有効でスムーズにできていた、動作歩行が著しく悪化しました。
同じ薬で後発品から先発品への変更も10名くらいでテストしてみましたが、すべての症例で動作歩行が著しく改善しました。

拙著249ページにも書いたように、パーキンソン病という病気は、プラセボ効果とノセボ効果がありますので、今回の小生の臨床経験だけをもって、後発品は先発品よりも劣っていると断言することはできませんが、
先発品と同じ用量を服用して、効果がないとなると、患者側の不利益につながりますので、これは看過できない問題だと思います。


MDS(Movement Disorder Society)が定義した、最新のパーキンソン病の診断基準では「レボドパ製剤の顕著な有効性」という項目があります。
パーキンソン病という病気は、レボドパ(エルドパ)が効く病気であり、そのレボドパが効果が乏しいのであれば、診断を見直さなければならないとされています。

診断にかかわるデリケートな問題でもありますので、レボドパ・カルビドパの後発品と先発品の大規模臨床比較試験が行われて、患者にとって有益な正しい情報が提供されるべきではないでしょうか?

処方した薬が効果がなければ、薬の成否で患者側からの評判も左右される、それが内科医の立場です。
今回の臨床経験(小規模ですが)を踏まえて、小生の方針としてパーキンソン病の運動症状の薬、特にレボドパ配合剤に関しては、原則的に先発品を処方することにしました。
むろん、あくまでこれは個人の価値観ですから、他の臨床医にそれを押し付けるようなつもりは毛頭ありません。


現在、レボドパ・カルビドパ配合剤の規格は、100mg錠と250mg錠しかありません。60~70歳の体重80~100kgの欧米人向けであれば、これで十分かもしれません。

しかし、日本人は総じて薬剤過敏であり、体重も少ないやせ型が多いです
高齢発症、長期罹病者のパーキンソン病患者が急増しているという背景を考慮すれば、25mg錠、50mg錠、75mg錠という規格が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか?


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by shinyokohama-fc | 2018-07-31 18:08 | 医療
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