4種類以上の多剤併用処方に科学的根拠なし

昨日(6月17日)は、AP品川で13時から、講演会を行いました。
「パーキンソン病と認知症 その多様性と薬の使い方の違い」
事前申し込み制でしたが、130名前後の方々に来ていただきました。
来場していただいた皆様、本当にありがとうございました。

今回の講演では、総括的な話として
「パーキンソン病に対する4種類以上の多剤併用にはRCT(ランダム化比較試験)は実施されておらず、エビデンス(科学的根拠)はない」
「多種類の薬剤服用によって、副作用の危険率は指数関数的に増える」
という話もしました。

6月18日の、長尾和宏先生の、Dr和の町医者日記には
「なぜ、薬漬け医療がいっこうに治らないのか。だから賢い患者さんになるしかない」と書いてありました。
私もそういう目的で、今回の書籍を執筆し講演会もしています。
パーキンソン病の薬漬け医療を止めるためには、賢い患者さん側になってもらうしかないからです。

パーキンソン病診療ガイドラインが今年改定されました。
「治療ガイドライン」ではなく「診療ガイドライン」に変わっています。

ガイドライン作成している、キー・オピニオン・リーダー(KOL)の先生の1人は、こう述べています。
「患者背景は1人1人異なりますので、一律にこれに従って治療方針を決定することはできません。ガイドラインは、最適な治療を選択する際の手がかりの1つであり、妄信的に従うことは避けていただきたい」
「パーキンソン病患者の多くは70歳以上の高齢者であり、今後もその数は増加すると予想されますので、高齢者のエビデンスを蓄積し、高齢者に焦点を当てたガイドラインを作成していく必要がある」

つまり、「今のガイドラインは高齢者に焦点を当てたガイドラインではないので、特に高齢者の場合は個別化対応を意識せずに、妄信的に従うとかえって混乱を招く」ということでしょうか。

例を挙げると75歳以上の後期高齢者に徐放剤ドーパミンアゴニストを高用量で処方されているというケースがあります。多くの症例ではレボドパ、ドパミンアゴニストだけではなく、ゾニサミド、セレギリン、その他もろもろの薬が追加されています。

今から15~20年前にドーパミンアゴニストが学会を挙げて強力に推進されていた時代がありました。徐放剤(1日1回タイプ)が出た時は大物KOLの先生方がこぞって徐放剤を推奨していたのを覚えています。
しかし、小生のかかりつけのパーキンソン病患者を速放剤から徐放剤へ一斉に変更した結果、ほぼ全員に奇異反応(症状が悪化してしまう)や副作用が出てしまい、患者さんには「元の速放剤に戻してくれ」と言われました。
小生はこの時から、学会KOLの言う事を妄信するのをやめました。

一番問題なのは、科学的根拠のない4種類・5種類・6種類・7種類というパーキンソン病治療薬を同時に使うことを規制する保険医療におけるルールが何もないという事ではないかと思います。

薬の種類が多いという事は決して歓迎すべき事ではなく、不適切な処方が行われる確率が上がるという事だと思います。



新横浜フォレストクリニック
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by shinyokohama-fc | 2018-06-18 12:51 | 治療
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