鹿児島認知症ブログ・書評(4)価値観を大事にして「世間」で仕事をしない

(4) 価値観を大事にして、「世間」で仕事をしない

医者としては「患者に害を与えない」という価値観を大事にしている。
この価値観を医者を続けている間はすり減らさないようにしたいと思っているので

それが最も大事な価値観ではないでしょうか?そう思います。
神経に作用する薬を多種多量に処方するという事は、最も患者に害を与える可能性が高いというのは、誰が考えても自明の理であります。
パーキンソン病という多くは非常にゆっくりと進行する経過の長い病気において、初期からそういう処方をしてしまうというのは、そういう意識が全然ないのでしょうか。

医者同士の会合なり、懇親会なりの「付き合い」には極力顔を出さないようにしている。「時間がない」ということだけがその理由ではない。
付き合いという「世間」を重視しているうちに、自分が大事にしている価値観が薄められてしまうことを恐れるからである。

それはよくわかります。
小生も昨年は自分が出たいと思わない会合とか懇親会はよく欠席しました。
セミナーとか講演会だけ出席して、懇親会は出ない事も多いです。
講演会は、興味のあるテーマの場合はなるべく行くようにしています。
懇親会も、他の医者との歓談(対話)で有意義な情報が得られる事もありますし、仕事と全く関係のない雑談をする事もありますので。
昔から忘年会とか送別会とか、宴会系が大の苦手でした。不特定多数の人が同じテーブルに座ってランダムに会話するという形式が基本的にムリですね
気心が知れた人3~4人くらいまでであればいいのですが。

付き合い重視で空気を読みすぎ、大事な何かをすり減らし続けると、そのうち「世間」のために仕事をするようになるのではないか、という懸念を自分は持っている。

常に空気を読んで行動する常識人においてはそうなのでしょう。
私は空気など全然読まないので、すり減らす事はありません(苦笑)。
そもそも空気読んでたら、今回のようなタイトルと内容の書籍はたぶん出版していないと思います。

普通の医者の「世間」とは「EBM信奉、ガイドライン遵守」である
「抗パーキンソン薬や抗認知症薬は基本的に、規定量まで増量・維持」の世界である。

普通に臨床実地医家をやっていたら、特にパーキンソン病とか認知症とか脳内の神経伝達物質の状態がデータ表示できるわけでもないので、EBMとかガイドラインではとてもじゃないが、対応できない事がよくわかりますね。
例えば、レボドパの少量分割投与などはEBMは証明されていませんが、ウェアリングオフとかジスキネジア回避のために普通に行われてますね。
EBM絶対主義が叫ばれてから、医療がゆがんだ方向に行ってるような気がします。EBM 丸投げで自分の頭で悩んだり考えなくなったし、むしろ無責任な医療になったのではないかとすら感じます。
そもそもEBMのない漢方セミナーになぜあれだけの医者が集まるのか?

本書籍を読めば、小生が「世間」で仕事をしていない事が良く分かる。

空気の読めない、生来の天邪鬼気質というだけなのかもしれませんが。
自慢ではないが、人の言う事に素直に従ったことのない人間ですので。

パーキンソン病に関わる医療従事者は、自分の襟を正すために。そして
パーキンソン病患者さんとその家族は、知識を得てわが身を守るために、本書籍を一読する事をお勧めする。

むしろ後者の目的で書いたのですが、知人の神経内科医数名からの評判は悪くなかったようなので、ひとまずは安堵しています。
ここまで強力な言葉での推薦を著者としては本当に感謝したいと思います。



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by shinyokohama-fc | 2018-03-12 12:07 | 治療
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