薬で悪化してしまうパーキンソン病の非運動症状(1)睡眠障害

パーキンソン病の運動症状を良くするための治療薬などは、運動症状以外の症状(非運動症状)を悪化させやすいという事実は意外と知られていません。

パーキンソン病の症状は実は非運動症状の占める割合が多いにもかかわらずです。今回は「睡眠障害」を取り上げます。

近年国内で実施された大規模臨床試験による、進行ステージのパーキンソン病1000例を対象にした非運動症状の頻度によると
夜間睡眠障害は73.8%日中の過眠は79.2%もありました。
パーキンソン病の場合は、昼夜のリズムがおかしくなります。
人によっては、夜間にはレストレスレッグス(ムズムズ脚)症候群レム睡眠行動異常、日中には突発性睡眠という特徴的な睡眠障害が起こります。

私の診ている外来患者ではここまで多くの比率はいません。
何故ならこれらの症状のほとんどが薬によって誘発・増強されていることがわかっているからです。以下の薬を必要以上に増やさないように心がけているからです。
薬によって非運動症状を悪化させることは、想像以上に生活の質を著しく落とします。一緒に生活している家族、配偶者にも多大な迷惑をかけます。

睡眠障害を悪化させる薬というのは以下のとおりです。
1)ドパミン・アゴニスト
プラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチン、タリペキソールなど
2)レボドパ配合剤
レボドパ・カルビドパ/ベンゼラシド
)コリンエステラーゼ阻害薬
特にドネぺジル、リバスチグミン
4) 睡眠導入剤
特にゾルピデム
)抗てんかん剤
特にゾ二サミド、バルプロ酸

これら1)~4)それぞれ単独で服用しても、半数以上のパーキンソン病の患者さんは、睡眠障害が悪化します。
ここにベンゾジアゼピン系睡眠導入剤などを追加しようものなら、夜間せん妄が悪化してしまい、一晩中夢遊病者、錯乱状態という事態にもなりえます。

パーキンソン病の睡眠障害でまずすべきことは、上記の薬剤をまずは見直すことです。
特にドパミンアゴニストの徐放剤(1日1回タイプ)の服用量がその人にとって多すぎて日中の過眠レム睡眠行動異常が悪化していることがほとんどですので、すぐに中止せずにまずは減薬するのが得策でしょう。
またレボドパ配合剤がその人にとって多すぎる場合があります。70歳以上の高齢者でも1日400~500mgとか服用すれば、半数以上は日中の過眠が強くなります。ドパミンアゴニストと併用した場合さらに強くなります。

レストレスレッグス症候群に対しては、ドパミンアゴニストが80%以上で効果がありますが、使用量はごく少量です。
私が使用した経験ではドパミンアゴニストという薬は少量で使用してこそ価値がある薬だと思います。日本人の場合は量を増やすとかなりの確率で副作用が出ます(中でも日中の眠気が最も多い)ので注意が必要です。


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by shinyokohama-fc | 2018-01-09 18:41 | 医療
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新横浜フォレストクリニック(横浜市港北区・新横浜駅)の院長が日々綴る様々な情報を発信するブログです


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