オピオイド使用に警鐘 (米国神経学会)

私の旧知の友人から以下の米国神経学会の勧告の情報を教えていただきました。私も昨年11月のブログで書いていたように、実際の外来診療において、主として整形外科で繁用されているオピオイド系薬剤によってせん妄、全身振戦、運動失調、依存症になっている高齢者を数多く診療した経験があり、抗精神薬以上に長期内服すると高齢者には危険な薬剤であるという実感がありましたので、学会がこのような勧告をしていただく事には意義があります。
「オピオイド使用に米国神経学会が警鐘 」非がん性慢性疾患には利益よりも高リスクが上回る
米国神経学会(AAN)は2015年9月29日、処方オピオイドによる死亡、過量投与、中毒、深刻な副作用のリスクは、頭痛や線維筋痛症、慢性腰痛などの慢性疾患におけるべネフィットを上回ると注意喚起する声明を発表した。
学会雑誌であるNeurologyに掲載された(以下引用)。
既存の複数の研究によれば、3か月以上オピオイドを使用した患者の50%が5年後もオピオイドを使用している。オピオイドは短期的には疼痛を有意に緩和する可能性があるが、長期的には深刻な過量投与や依存、中毒のリスクなしに疼痛緩和や機能改善に導くとする実質的なエビデンスはない事が示されている。
声明では、モルヒネ1日換算量が80~120mgを超えても疼痛や機能の改善が十分に得られていなければ、医師は疼痛管理の専門家と相談するように推奨した。
また、オピオイドの安全かつ有効な処方のため
1) オピオイド治療同意書の作成
2) 薬物乱用歴やうつの病歴有無の確認
3) 尿検査による薬物スクリーニングの実施
4) 催眠鎮静剤やベンゾジアゼピン系薬剤などとオピオイドを併用しない
5)州の処方箋モニタリングプログラムを通じて処方箋を監視する
など、具体的な対応方法を提案している
私の印象ではオピオイドという薬は患者によって神経系にどう作用するかわからない危険な薬剤の一つだと認識しています。特に高齢者・認知症・脳梗塞後遺症などでは避けるべき薬剤だと考えています。米国神経学会の勧告はきわめて妥当な提言だと思います。私も昨年1例だけ処方したことがありますが、40代女性で1か月限定にしました。ペインクリニックの専門家の話では1か月など期間限定にすればいい薬で、ダラダラと長期に処方するのは良くないとの事でした。


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by shinyokohama-fc | 2016-05-06 12:36 | 治療
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