慢性疼痛治療薬(オピオイドなど)の深刻な副作用

ここ5~10年の間に神経痛などの慢性疼痛に対する治療薬が何種類か発売されました。特に整形外科を中心に最近よく処方されている代表的な薬剤がプレガバリン、トラマドールという薬剤です。
プレガバリンはもともとガバぺンチンという新規抗てんかん剤の前駆体です。高齢者では転倒に注意、副作用には浮動性・回転性めまい、平衡障害、運動失調、傾眠、意識消失、と明記してあります。25mgと75mgがありますが、高齢者では25~50mgでも実際はめまい、ふらつき、運動失調をきたしているケースが多いようです。この1か月だけで4~5名そういう方がおられました。同じ抗てんかん剤の古くからあるカルバマゼピンという薬も少量でかなりふらつきますので、やはり転倒リスクが高まります。
トラマドールという薬剤もアセトアミノフェンとの合剤などもありますが、オピオイドという非麻薬とはいえ、麻薬に近い薬剤ですので、高齢者においてはプレガバリン以上に同様の副作用がでやすいと思われます。実際に最近私の外来でめまい、ふらつきを訴えた高齢者全員がトラマドールかその合剤を他の医療機関(整形外科)で処方されていましたので、僭越ながらトラマドールを減量・中止を指南させていただきました。処方する医師や薬剤師から副作用の説明についてまったくなされてないに等しいという事は憂慮する事態だと考えます。こういう特殊薬剤を処方する場合は医療側からの説明責任が問われるべきでしょう。2年前に病院の整形外科でトラマドールを処方されて全身の粗大な震え(振戦)が止まらないという事で受診した患者、1年前に「DLBの意識障害ではないか?」と家族が誤解してわざわざ50km離れた所から受診した方がいました。診察すると意識朦朧状態であり、重度の脳出血後遺症がある高齢者であるにもかかわらずトラマドールを病院の整形外科から処方されていた患者がいました。
個人的にはプレガバリンやトラマドールに比べると、脳神経に直接作用しない従来のNSAIDsのほうが副作用の点に関してはまだマシだと考えます。泌尿器科で繁用処方されている旧型の抗コリン剤(プロピべリンなど)も同様でせん妄状態、意識朦朧を引き起こしやすく歩けなくなった認知症の方もいました。脳・神経系に作用する薬剤は高齢者、特に脳卒中後遺症や認知症など脳神経にハンディキャップがある患者への使用は深刻な副作用をもたらす可能性が極めて高いため、厳重な注意・観察が必要で、個人的には使用を控えるべきだと考えています。


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by shinyokohama-fc | 2015-11-13 08:48 | 治療
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