市販薬で死亡15例・風邪薬8例・解熱鎮痛剤3例

市販薬(OTC)、特に風邪薬や解熱鎮痛剤というよく頻用される薬剤で死亡した例が過去に15例あったとの事です。
これは薬に関する事なので本来は厚労省が扱う事ではないかと思いますし、死亡・重篤例の原因薬剤名やメーカーも明かされないために、かえって一般市民に疑心暗鬼を植え付けるだけの悪影響しかないのではないかと思います。
そもそも市販薬だけでなく「医療機関で処方される総合感冒薬や消炎鎮痛薬ではどうなのか?」という事になる。
当院では風邪薬の処方に関しては以下のように説明しています。
「一般的に誰もがかかる感染症として急性上気道炎・急性胃腸炎などいわゆる「風邪」があります。その大半はウイルスが原因で特効薬がないため、その症状の不快さを抑えるだけの対症療法的な薬の使い方になります。そのため当院では主として自然治癒を促す目的で漢方薬を処方しています。抗生物質は細菌感染による扁桃腺の膿瘍や肺炎など明らかに細菌感染が原因と推定した場合にのみ使用しております。西洋薬の消炎鎮痛剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤などに関しては時に副作用が出現する場合があるためご注意ください。お薬に関しては慎重に処方するように努めておりますが、もし副作用がでたり自己中止した場合はお手数ですが報告願います。」
総合感冒薬や消炎鎮痛剤で重篤な副作用が出るのは昔から有名な話で、何をいまさらという気もします。医療機関で昔から最もよく使われてきた総合感冒薬にも2種類の解熱鎮痛剤(NSAIDs)が含有されているのですが、最近でもTVCMで頻繁に宣伝されているNSAIDsは常用すると食欲低下したり消化管粘膜障害を起こします。同じく含有されている抗ヒスタミン剤に関しては脳・中枢神経を抑制する作用があるため、眠気、めまい、倦怠感、活動性低下などを引き起こします。特に高齢者が感冒を患っている状態でこのような副作用が起こればかなりマズイ事になるだろうというのは容易に想像できると思います。それゆえ高齢者、特に脳機能低下した疾患の方には安全に処方できる風邪薬は漢方薬しかないという事になります。若年者でも総合感冒薬を連用してから食事が食べれなくなったり、眠気やめまいで仕事ができなくなったという話は日常的によく聞きます。ただそれ以上に重篤な副作用が新聞記事にもある①~③です。①Steevens-Johnson症候群(全身の皮膚粘膜症候群)②肝機能障害 ③腎機能障害です。
私が風邪に漢方薬を処方するのはこれが主な理由です。漢方薬も長期に内服する場合は肝機能障害や間質性肺炎、横紋筋融解症などの副作用がありますので注意は必要ですが、短期間であればそのような副作用は起こりにくいです。薬と名のつくものに絶対に安全なものは存在しないので、年間に莫大な人に使用されている市販の風邪薬や消炎鎮痛剤による重篤副作用例がこの人数であれば、むしろ稀少だという評価が一般的でしょう。ただしいくら稀だからといっても、風邪薬を飲んだ人が①~③の副作用で死に至ったり、後遺症が残るほどの重篤な副作用の被害に遭ったとしたら本人とその家族はやりきれないのではないでしょうか?
医療機関で処方される薬でも市販で購入する薬でも同じで、医療機関の処方薬だから安全だという事はないです。薬で副作用が出てしまうのは体質・相性の問題であるので、ある意味防ぎようのない事ではありますが、「必ず薬には副作用がある」という認識を持ちながら、常に副作用に注意して慎重に服薬するという姿勢が大事だと思います。


新横浜フォレストクリニック
内科・漢方内科・老年内科・神経内科

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by shinyokohama-fc | 2015-04-14 13:03 | 治療
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